日経クロストレンドのアドバイザリーボードの面々が、「ポスト平成」の注目キーワードを占う本特集。第3回は、音楽業界からJVCケンウッド・ビクターエンタテインメントの今井一成氏とソニー・ミュージックレーベルズの梶望氏、住民参加型の総合計画づくりなどを推進するstudio-L代表のコミュニティデザイナー山崎亮氏が、2019年を語る。

写真/ShutterStock
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 注目キーワード 
「ストリーミング」

音楽業界に「サブスク」の大波 地域コミュニティーも次世代型へ(画像)

JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント 取締役
今井 一成氏

 1998年をピークに音楽CDの売り上げが低迷し、「着うた」や「ダウンロード」の時代を経て、音楽業界を再燃させるキーワードは「ストリーミング」です。

 Apple MusicやSpotify、LINE MUSIC、Amazon music unlimited、最近ではYouTube Musicなど、これらサブスクリプションサービスが、アナログレコードやCDといったメディアに次ぐ音楽ビジネスの業界拡大に貢献できるかどうか。18年上半期、米国ではストリーミングが75%、フィジカルが10%(全米レコード協会調べ)で、新たなマーケットを開拓して音楽ビジネスが大きく拡大しているのに対し、日本ではストリーミング11%、フィジカル79%(日本レコード協会調べ)という現状があります。

 長年CDの売り上げをランキング発表していたオリコンが、ついに18年12月からCDの売り上げにダウンロード数はもちろん、ストリーミング数を合算したランキングの発表を始めました。合わせてストリーミングランキングも発表することで、サブスクリプションという日本では定着に時間がかかっている音楽サービスが、19年「ストリーミングで音楽を聴く」という言葉で一気にブレークすると予想します。

 日本でもサブスクリプションを定着させようと努力してきましたが、実はこの言葉自体がユーザーには分かりづらいとも考えられます。「音楽をダウンロードする」が分かりやすかったように、「音楽をストリーミング」するということを広げるため、社内はもちろん社外で話す場合、「音楽聴き放題」や、「定額制音楽サービス」、「サブスクリプション」という言葉を使わず、「ストリーミングサービス」という名で統一するように徹底しています。

 注目キーワード 
「シェアリング」「クラウド」「アジア」

音楽業界に「サブスク」の大波 地域コミュニティーも次世代型へ(画像)

ソニー・ミュージックレーベルズ EPICレコードジャパン 部長
梶 望氏

 いよいよ日本の音楽マーケットにもサブスクリプションの波が本格的に押し寄せてきます。音楽業界だけでなく、今まで無料で様々なコンテンツを享受してきた、完全に生活上の概念はクラウド化している若い世代が可処分所得を持ち、クレジットカード決済ができるようになると、世の中全体に一気にクラウドサービスが浸透していくと予測しています。その第一波が、19年くらいに始まるのではないかと思っています。

 音楽業界でいうと、これだけ趣味嗜好の多様化が進み、これからサブスクリプションサービスの普及が進んでしまうと、現状の国内音楽マーケットの経済規模をキープすることは難しいと思っています。そこで今は、リスナーを国内だけでなく海外のリスナー(特にアジア)も開拓することにトライしています。