十割そばを立ち食い価格で出せる理由は?

 嵯峨谷の人気の最大の理由は、つなぎを使用せず、100%そば粉で作る十割そばを立ち食いそば価格で提供していること。十割そばは香りが高くおいしいが、まとまりにくいので、麺の状態にするのは熟練の職人でも難しいといわれている。同店では最新の押し出し式の製麺機を使用することで、十割そばの機械打ちを可能にした。

 さらに、そば粉ではなく殻付きの玄そばで仕入れ、店内の石臼でひいて店内で製麺している。店内で挽いたそば粉は、当日内に消費するようにしているそうだ。回転の良い池袋店などは、ひいてから約3時間程度でそばとして提供しているとのこと。「粉がひきたてでフレッシュであることが、麺のおいしさに直結しているのでは」(同社マネージャーの中川耕治氏)。

 また十割そばを打つのにもうひとつの大事な要素が「水」。詳しくは企業秘密とのことだが、都心で十割そばを作るためには特別な水質管理が必要とのこと。

 そうしたそばをこの価格で提供できることが不思議だが、スタート当初は製粉済みのそば粉より玄そばのほうが原価が安いというメリットがあったという。しかし「最近はそば粉が高騰して2年前の1.5倍にもなっているので、それでも苦しい」(中川マネージャー)とのこと。オペレーションを精査し、より効率化することで、現在の価格を維持しているようだ。

嵯峨谷はそば粉100%の十割そばの「もりそば」が税込み290円で食べられる。人気のかき揚げは税込み100円で、そばと合わせて390円(写真のそばは細打ち)
嵯峨谷はそば粉100%の十割そばの「もりそば」が税込み290円で食べられる。人気のかき揚げは税込み100円で、そばと合わせて390円(写真のそばは細打ち)
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十割そばの風味を生かすため、幅が広めの平打ちが基本。つなぎを使っていないので、細いと団子状になりやすいのを防ぐ意味もある。手打ちの田舎そばのような香ばしさが感じられる
十割そばの風味を生かすため、幅が広めの平打ちが基本。つなぎを使っていないので、細いと団子状になりやすいのを防ぐ意味もある。手打ちの田舎そばのような香ばしさが感じられる
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人気ナンバーワンの「かきあげ」(税込み100円)はふんわりと軽く揚げられていて、天ぷら専門店に劣らないクオリティだと感じた
人気ナンバーワンの「かきあげ」(税込み100円)はふんわりと軽く揚げられていて、天ぷら専門店に劣らないクオリティだと感じた
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製粉前の玄そばを仕入れ、店内で製粉している
製粉前の玄そばを仕入れ、店内で製粉している
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水道橋店を除く全店で店頭に電動石臼をディスプレイしている
水道橋店を除く全店で店頭に電動石臼をディスプレイしている
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「細打ち」はよりのどごしが良く、筆者はこちらのほうが好みだった
「細打ち」はよりのどごしが良く、筆者はこちらのほうが好みだった
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