内臓脂肪を減らすメカニズムとは?

――善玉菌のエサになるとは具体的にどのような状況でしょうか?

現在もっとも注目される食材“大麦”その知られざるパワーとは?~大妻女子大学 青江誠一郎教授(画像)
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青江: 大腸に入ったら便の一部となって出ていく不溶性食物繊維に対して、β‐グルカンのような水に溶ける食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、発酵を受けることで酪酸、酢酸、プロピオン酸といった短鎖脂肪酸が作られます。

 この短鎖脂肪酸がとても重要です。まず、酸の刺激で腸の働きが良くなります。同じく酸が増えることで、悪玉菌が増えにくくもなるのです。腸から出て血糖値のコントロールに役立つ消化管ホルモンGLP-1の分泌をうながす効果もあり、さらに、腸自体の防御機能も高めてくれます。

 最近、便秘がちの女性の間で非アルコール性脂肪肝が増えています。原因の一つは悪玉菌が作るLPSという毒素です。腸内で作られたLPSなどの毒素は腸のバリアを破壊し、体の中に入ることで悪さをします。β‐グルカンは腸で悪玉菌が増えるのを抑えるとともに、発酵することでできる短鎖脂肪酸が腸のバリア機能を高めて、これらの毒素を腸の外に出さないようにしてくれます。

――大麦はダイエット効果も確認されているようですが。

青江: 腹囲がメタボリックシンドロームの診断基準(男性85センチ上、女性90センチ上)に達した男女100人に1日2回、麦ごはんを食べてもらったところ、12週間後、β‐グルカンが入っていない大麦を使った麦ごはんを食べた人たちも内臓脂肪が減ったが、β‐グルカンの含有量が多い大麦を使った麦ごはんを食べた人たちはより効果が大きかった。

 大麦に含まれるβ-グルカンは、血糖値を上げないので太りにくくなるだけでなく、消化管ホルモンGLP-1の分泌をうながすことで内臓脂肪も減らしてくれるのです。