経済産業省は6月24日、同省が推進するスタートアップ企業の支援プログラム「J-Startup」に新たに49社を追加した(企業の一覧はこちら)。「ロボット、人工知能(AI)、医療・創薬、農業など幅広い分野から世界で活躍できるスタートアップを選んだ」(関芳弘経済産業副大臣)という。

セレモニーに登壇する世耕弘成経済産業大臣
セレモニーに登壇する世耕弘成経済産業大臣

 J-Startupは18年6月にスタート。日本のスタートアップ企業約1万社の中から、トップベンチャーキャピタリスト、大企業のイノベーション担当者などが有望な企業を推薦し、厳正な審査・チェックを経てJ-Startup選定企業として認定した。「世界で戦い、勝てるスタートアップ企業を生み出す」をキャッチフレーズに、事業スペースの提供や海外展開などを支援。J-Startup企業と経団連企業のミーティングを企画したり、CESやSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)といった海外展示会やイベントに出展したりもした。

 同日開催されたセレモニーでは、AI関連プロダクトを提供するシナモンの平野未来社長と、産業用ドローンシステムを提供するセンシンロボティクスの間下直晃社長が、日本ベンチャーキャピタル協会の仮屋薗聡一会長と共にパネルディスカッションに登壇した。2社はいずれも今回新たに追加されたJ-Startup選定企業だ。

 平野社長は、自社の社員約210人の内、日本人が約30人しかいない実情について、「海外の数学の天才を見つけてディープラーニングなどを勉強してもらい、AIリサーチャーに育てている」と話した。また海外進出については、「実はホワイトカラーの生産性を向上させるためのビジネスAIは日本が世界一。ここに勝機がある」(平野社長)と、AIの分野でも日本が戦えるフィールドがあることを説明した。

 間下社長は、同社が力を入れる完全自動運用のドローンシステムは、国内の老朽化したインフラのチェックや災害対策に活躍するとした上で、「最近は海外から声がかかることが増えている」と海外展開を模索中。大企業と連携するオープンイノベーションについては、「“課題先進国”と言われる日本では法規制が厳しいケースが多い。規制があると大企業は乗ってこない」と問題点を指摘した。

パネルディスカッションに登壇したシナモンの平野社長(左)とセンシンロボティクスの間下社長(右)
パネルディスカッションに登壇したシナモンの平野社長(左)とセンシンロボティクスの間下社長(右)

 国会審議のためセレモニーの終了間際に登壇した世耕弘成経済産業大臣は、「日本は有望なスタートアップ企業にリソースをもっと集中投下しないと、(海外と比較して)周回遅れになってしまう」と危機感をあらわにした。その一方で、「実績のないスタートアップ企業でも政府のプロジェクトに入札できるようになった」(世耕大臣)など、1年間のJ-Startupの成果も強調した。