2019年5月21日、東芝メモリと受託製品開発を行うスタッフ(大阪府門真市)は、個人向けアルコール濃度測定器「TISPY2」を発表、クラウドファンディング「Makuake」で先行予約を開始した。複数の人が計測できるモードの強化などで、若い世代にターゲットを拡大し、販売増を狙う。

学習型IoTアルコールガジェット「TISPY2」(ティスピー2)。2色のカラ―バリエーションがある
学習型IoTアルコールガジェット「TISPY2」(ティスピー2)。2色のカラ―バリエーションがある

 TISPY2はユーザーの年齢、身長、体重などを登録して使う。アルコールセンサーを搭載し、そこに息を吹きかけることで体内のアルコール濃度を測定する。結果に応じて「まだ飲めそうですね」「そろそろ水を飲んだ方が良いです」などのアドバイスをしてくれるほか、酔いが覚めるまでの時間などが分かる。SDカード型の無線LANカード「FlashAir」(容量16GB)が付属し、スマートフォンと接続してデータを蓄積していくことで、より的確なアドバイスが得られるようになる。

息を吹きかけると体内のアルコール濃度を測定できる
息を吹きかけると体内のアルコール濃度を測定できる
測定結果から「飲みすぎ注意!」などのアドバイスをしてくれる。データを蓄積していくと、より的確なアドバイスが得られる
測定結果から「飲みすぎ注意!」などのアドバイスをしてくれる。データを蓄積していくと、より的確なアドバイスが得られる

 前モデルの「TISPY」は、16年にMakuakeでプロジェクトが立ち上がり、目標金額の10倍を超える1500万円以上の出資を集めた。TISPYは飲みすぎないようにセルフケアするためのツールとして開発され、主な支援者は30~40代男性だった。しかし思いのほか若いユーザーにも好評で、「飲み会で皆で楽しめる機能が欲しい」といった要望が多く寄せられたという。

 そこでTISPY2では20代を中心とした若い世代をターゲットに設定し、所有者以外のユーザーが使うためのゲストモードを強化した。このモードに切り替えると、所有者の蓄積しているデータに影響を及ぼすことなく、その場で誰でもアルコール濃度を測定して「いい感じに酔ってますね」などのアドバイスが得られる。

 スタッフの廣江朋也氏は「TISPYは健康ツールだったが、若い人たちの要望を踏まえTISPY2はコミュニケーションツールを目指した。みんなで使ってそれぞれアドバイスをもらうことでその場が盛り上がるし、誰がどれだけ酔っているか把握することで、無理せず安心して飲み会を楽しめるようになる」と狙いを語った。

スタッフ営業推進チーム課長兼チームリーダー 廣江朋也氏
スタッフ営業推進チーム課長兼チームリーダー 廣江朋也氏

 日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語に対応したのも、コミュケーションの活性化が大きな目的だ。海外の人との飲み会も、このツールがあれば話題の1つにもなるし、国境を越えて盛り上がれる。もちろんインバウンド需要も狙える。

 電池が切れやすいという指摘も多かったため充電池にも対応し、充電機能を搭載した。TISPYにはSDカード付属モデルとFlashAir付属モデルがあったが、TISPY2はFlashAir付属モデルのみで、スマートフォンと連携してのセルフケア機能も引き続き訴求する。一般販売価格は1万5000円(税別)。生産数は3000台で、1700台だったTIPSYから大幅に増やした。

 プロジェクトの目標金額はTISPYと同じ150万円だが、開始から約5時間で早くも達成するなど出足は好調。「酒を飲まなくなっている」といわれる若い世代だが、こうしたツールがあれば酒の飲めない人も一緒に楽しめるだろう。“アルコール濃度”でさえコミュニケーションを促すコンテンツとして捉える発想力は、他の商品を企画する際にも参考になりそうだ。