KDDIは広いエリアカバーで地方創生に注力

 KDDIもドコモと同じく3.7GHz帯×2(3700~3800MHz、4000~4100MHz)と28GHz帯(27.8~28.2GHz)の3枠を獲得している。19年5月15日の決算説明会で、同社の高橋誠社長は、「われわれが獲得した周波数は世界的に使われるバンドだ。かなりアグレッシブな5G計画を出してこの周波数帯を取りに行っている」と語った。

 KDDIが特に重視したのが、3700~3800MHzの帯域だ。この帯域は、ドコモに割り当てられた3600~3700MHzと同様、海外でも利用している国が多い帯域であり、ネットワーク機器や端末で日本向けの周波数対応が必要ない分、低コストで機器を調達できるメリットがある。

 この周波数帯を獲得できたことを受け、KDDIは5Gの展開にも自信を見せる。決算説明会では20年3月末までに「5Gの端末を販売したい」と話したほか、19年9月のプレサービス開始についても言及した。当初は4Gの設備を生かして5Gのサービスを提供する「ノンスタンドアローン」での運用だが、21年度の半ば頃からは全ての設備を5G標準仕様で構築した「スタンドアローン」での運用に移行する計画だ。

KDDIは3.7GHz帯で、海外でも使われている帯域を獲得したことから、機器調達などの面で優位性があるとしている
KDDIは3.7GHz帯で、海外でも使われている帯域を獲得したことから、機器調達などの面で優位性があるとしている

 実は、5Gの周波数帯割り当てに際して総務省は、対応エリアの評価を変更した。従来の「人口カバー率」から、全国を10km四方のメッシュ(第2次地域区画)に区切る「基盤展開率」に変えたのだ。理由は、人口が多い都市部をカバーすることより、少子高齢化の影響が強い地方の課題解決を優先したことによる。低遅延、多接続といった5Gの特徴を生かそうというわけだ。

 KDDIが総務省に提出した5Gの基地局設置計画を見ると、5年間で基盤展開率93.2%、特定基地局数も3.7GHz帯、28GHz帯を合わせて4万2863局と、携帯大手4社の中で最も多くなっている。これが評価され、KDDIは希望に近い周波数帯域を確保できたといえる。

 そこでKDDIは、基地局の多さを生かして「地方創生」にも重点を置く。同社が提供する5G、IoT(モノのインターネット)のビジネス拠点「KDDIデジタルゲート」によるイノベーションの創出に加えて、新たに設立した「地方創生ファンド」を活用することで、パートナー企業やベンチャー企業と地方のデジタルトランスフォーメーションを推進する計画だ。

KDDIは広いエリアをカバーすることで地方創生に取り組むとしており、新たに地方創生ファンドも設立した
KDDIは広いエリアをカバーすることで地方創生に取り組むとしており、新たに地方創生ファンドも設立した