ワコールの調査で多くの女性が胸に谷間があるときのほうが、幸せや自信を感じることが明らかになった。「苦しくないのに谷間ができてキープできる」と人気の「リボンブラ」で、初のアンバサダーに水原希子を起用。美しい谷間を20~30代の女性にアピールする新たなマーケティング戦略を展開する。

2019年4月19日に新商品が発売された「朝の谷間、ながもち、リボンブラ。」(希望小売価格は税別5600円。D・E・Fカップは6100円)
2019年4月19日に新商品が発売された「朝の谷間、ながもち、リボンブラ。」(希望小売価格は税別5600円。D・E・Fカップは6100円)

 調査は2010年1月から発売する「朝の谷間、ながもち、リボンブラ。」シリーズの新商品発売に合わせて、20~40代の女性900人を対象に2019年2月に実施された。自分のバストへの自信の有無や、谷間ができたときの気持ちの変化などを調査したところ、8割以上の女性がバストに自信がない一方で、胸に谷間ができたときには自信度や幸福度が上がると答えたという。

 そこでワコールは美しい谷間でより多くの女性を幸せにするために、「谷間向上研究所」を設立し、ブランド初のアンバサダーに起用した水原希子を所長に据えた。ワコールの広報・宣伝部 村田美紀氏は「これまで訴求が弱かった若年層にもファンを広げたい」とターゲット拡大に意欲を見せた。

バストへの自信は谷間の有無が影響

 調査では、まず対象者に自分のバストに対する自信の有無を質問した。その結果、実に8割以上の女性が自分のバストに自信がないことが分かった。年代別では、84.6%で20代に自信のない人が最も多かった。

 次に、バストに谷間があるか尋ねたところ、10人中6人が「自分のバストには谷間がない/あまりないと思う」と感じていた。さらに「自分のバストには胸の谷間がないと思う/あまりないと思う」と答えた人に、「胸の谷間が欲しいと思うことはありますか?」と聞いたところ、6割以上が「谷間が欲しい」と感じていることが明らかになった。

 谷間ができているときとそうでないときでの気持ちの変化についても質問した。すると「谷間ができているときのほうが自信を持てる」が30.3%、「谷間ができているときのほうがやや自信を持てる」が52.7%となった。谷間の有無と幸福度の関係については、「谷間ができているときのほうが幸福度が上がる」が21.8%、「谷間ができているときのほうがやや幸福度が上がる」が58.8%で、8割以上が谷間が幸福度を上げると感じていることが分かった。

 「『胸の谷間』は女性に自信を与え、また幸福度にも大きく影響している」(村田氏)

ワコールの広報・宣伝部 村田美紀氏
ワコールの広報・宣伝部 村田美紀氏

 「もし谷間があったらどんなことをしたいか?」という質問には、「コスプレをしてみたい」「デコルテの開いた服を自信を持って着たい」「毎日鏡で胸を見る」など、具体的な回答が寄せられ、女性がひそかに“谷間”に抱いている夢が分かったという。

8割以上が、「谷間があれば自信度も幸福度も上がる」と答えた
8割以上が、「谷間があれば自信度も幸福度も上がる」と答えた

水原希子を初のアンバサダー兼「谷間向上研究所」所長に

 調査結果を受けて、ワコールは「美しい谷間をつくることでより多くの女性を幸せに!」というスローガンの下、社内に「谷間向上研究所」を発足した。今後もアンケート調査などで、谷間がいかに心理的な影響を及ぼすかについて研究していくという。

 所長に就任した水原は、「朝の谷間、ながもち、リボンブラ。」シリーズで初のアンバサダーとなる。発売9年目で初めてブランドアンバサダーを設けた理由として村田氏は「若年層への訴求」を挙げる。

 「当初、20~30代をメインターゲットにしていたが、実購買層は30~50代だった。同年代からの支持が多くSNS上の発信力も強い水原さんを起用することで、さらに若い世代へアピールしていきたい。5月にはビッグプロジェクトを予定している」(村田氏)という。

 他にも障壁がある。「ノンワイヤーの流行で、ブラジャーのワイヤーに抵抗のある人が増えている」と、ワコールインナーウェア商品統括部課長の二宮敏郎氏は指摘する。

 そこでCMは、水原が「ワイヤーブラ、正直苦手なんだよね……」と言いつつ「朝の谷間、ながもち、リボンブラ。」を初めて着けるとその心地良さに驚く、という設定。「発売から約10年経過し、顧客も変化している。プッシュ型のコミュニケーションはなかなか伝わらない。商品の良さを実感した水原さんの声に共感してもらいたい」と、二宮氏はCMに期待する。

ブランド初のアンバサダーに就任した水原希子は、「谷間向上研究所」の所長にも就任
ブランド初のアンバサダーに就任した水原希子は、「谷間向上研究所」の所長にも就任

 「朝の谷間、ながもち、リボンブラ。」の発売は、2010年。両方のカップを1枚の布でつなげてバストを左右から寄せ、真ん中のリボンで支える特殊な「キープリボン構造」で、「動いてもブラジャーがパカパカ動かない」「きれいな谷間を作ったまま一日中キープしてくれる」と、多くの女性に支持されている。

 今回の新商品は、夏の暑さでも快適に過ごせるよう吸汗速乾性の素材を従来のワイヤーループ以外にも使用した。

 水原の起用で若年層やワイヤー嫌いの女性の共感を得ることができるか。谷間向上研究所の今後の調査にも注目したい。

(写真/中村宏、画像提供/ワコール)