さまざまな交通手段を統合して、新たな移動体験を生み出す「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」に、“高速バスの革命児”と称されるWILLER(ウィラー)が参戦。日経クロストレンドが2019年1月31日に開催する有料セミナー「CES2019最新報告!モビリティ革命『MaaS』の最先端」に緊急登壇する、WILLER代表取締役の村瀨茂高氏のインタビューをお届けする。

WILLER代表取締役の村瀨茂高氏

 MaaSをめぐる動きが、国内でも活発化している。2018年11月、トヨタ自動車が西日本鉄道とマルチモーダルのMaaSアプリ「my route(マイルート)」の実証実験を福岡市でスタートした。そして、19年春には東京急行電鉄と東日本旅客鉄道(JR東日本)、ジェイアール東日本企画が共同で静岡・伊豆エリアにおける「観光型MaaS」の実証プロジェクト(関連記事「観光型MaaS 東急×JR東日本×楽天のタッグで実証実験へ」)を計画。さらに、小田急電鉄はヴァル研究所と「小田急MaaSアプリ」を開発すると共に、タイムズ24やドコモ・バイクシェアなどと連携して神奈川・箱根エリアと新百合ヶ丘・町田エリアで19年中にMaaSのテストを行う構えだ(関連記事「小田急MaaS 箱根、江ノ島、新百合ヶ丘が19年の候補に」)。

 そんな中、MaaSの新たなプレーヤーとして脚光を浴びているのが、高速バスをはじめとして移動にまつわる事業を展開するWILLERだ。18年9~10月には、北海道旅客鉄道(JR北海道)などと組んで、観光型MaaSの実証実験を行った他、19年には北海道での取り組みの第2弾、そしてWILLERが運営を担う「京都丹後鉄道(丹鉄)」の沿線でもMaaSを展開すべく準備に入るという。

京都丹後鉄道のMaaSでは、駅を起点とした交通手段の整備ではなく、シェアバイクやデマンドバスなど複数の移動手段の一つとして鉄道を位置付けるという

 このほど、日経クロストレンドが2019年1月31日に開催する有料セミナー「CES2019最新報告!モビリティ革命『MaaS』の最先端」では、WILLERを率いる村瀨茂高氏が緊急登壇。北海道や京都丹後鉄道を舞台にしてどのようにMaaS事業を展開していくのか。そして、人々の生活にどんな価値をもたらそうとしているのか。村瀬氏の講演に続き、日本初の解説書『MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ』の著者とのパネルディスカッションで明らかにする。本セミナーに先立ち、今回は日経トレンディ 2019年1月号に掲載された村瀬氏のインタビューを紹介する。

WILLERの村瀨茂高氏。1994年にWILLERの前身となる西日本ツアーズを設立。2005年から高速ツアーバスの運行を始め、全国100都市を結ぶ高速バスネットワークを構築。16年から「レストランバス」も運行している

交通インフラという意識が強かった高速バス業界にマーケティング思考を持ち込み、全国有数の高速バス会社になりました。現在は「移動ソリューションの会社」とうたっています。

村瀨茂高氏(以下、村瀨氏) バス、電車、タクシーなど、現在は移動手段が細かく分かれていますよね。法規制がそれぞれ異なるためですが、これからの公共交通機関は、この概念を捨てる必要があると考えています。

 きっかけは、我々が15年から京都府と兵庫県にまたがる赤字ローカル線「京都丹後鉄道(丹鉄)」の運営を始めたことです。乗客が多くないですから、降りてからのバスもタクシーもない駅がたくさんあります。初めは駅から先の足をどうしようか悩んでいました。

 しかし気づいたんです。駅ではなく、むしろ住民の方々の家を起点に考えるべきではないかと。近所の買い物なら、自転車やバイクで済むでしょう。病院や役所へ行くなら10人くらいが乗れるデマンドバス。もっと遠くへ行くときに、初めて鉄道が必要になります。

 地方部では、こういった複数の手段が選べないので、マイカーが日常の足をすべて担っています。家の周囲3マイル(約5km)の移動手段を整備すれば、マイカーを1人1台から一家に1台へと減らせるかもしれません。移動する人数や距離に応じて、複数の手段をシームレスに選べる。今話題になっている「MaaS」ですね。

 これを丹鉄沿線で実現できないかと考えています。今はその条件整理をしているところです。19年中には、住民の方々の協力のもと、移動実態の調査を始めたいと思っています。

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