目指すは「アジアのMaaS」

一方、18年9~10月には遠く離れた北海道でもMaaSの取り組みを行っています。

村瀨氏 「生活型MaaS」を目指す丹鉄に対し、北海道で目指すのは「観光型MaaS」です。釧路と網走を結ぶJR釧網本線が廃線の危機にあると聞き、手を挙げました。沿線には摩周湖や知床半島など素晴らしい観光資源があるのですが、鉄道だけでは回れません。そこでJR北海道や地元のバス会社と協力して乗り放題パスを作り、周遊ルートを設定。我々の予約サイトで発売しました。

 期間中に北海道胆振東部地震が起きたのは誤算でしたが、約300人の予約が入りました。参加者にはクルマの運転が苦手という女性が多くて、3割が一人旅。レンタカーやツアーはちょっと……という人たちの需要を掘り起こせました。19年には第2弾をやります。

北海道では、鉄道とバスを組み合わせた観光型MaaSを試行中。JR釧網本線を核に、観光地を巡るバスなどにも自由に乗れるフリーパスを販売。デジタルチケットとし、異なる交通機関でも同じ操作で利用できるようにした
北海道では、鉄道とバスを組み合わせた観光型MaaSを試行中。JR釧網本線を核に、観光地を巡るバスなどにも自由に乗れるフリーパスを販売。デジタルチケットとし、異なる交通機関でも同じ操作で利用できるようにした

北海道では旅行業の免許で複数の交通機関を一括して使えるようにしましたが、法的な枠組みはこれで十分ですか?

村瀨氏 MaaSの本質はスマホアプリなどでシームレスに予約できるようにすることだけではありません。その裏にある、複数の交通手段から最適なものを選び出すアルゴリズムなどのシステムが肝になります。そこまで踏み込むのは旅行業の枠組みでは難しい。

 当社では18年、シンガポールにMaaSアプリを作る子会社を立ち上げ、東南アジアのタクシー会社、バス会社、カーシェアリング会社などとも提携関係を築いています。海外でもノウハウを蓄積する狙いです。最終的には、日本だけでなく東南アジアへ行ってもシームレスに移動手段を選べるような世界観を目指しています。

ベトナム最大手のタクシー会社と合弁会社を設立。インバウンド対応も狙って、配車アプリなどでの連携を模索している
ベトナム最大手のタクシー会社と合弁会社を設立。インバウンド対応も狙って、配車アプリなどでの連携を模索している
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定員:150名
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(写真/高山 透)