24時間、戦えますか?──1988年に誕生し、“企業戦士”の必須アイテムとして一世を風靡した栄養ドリンク「リゲイン」。しかし、働き方改革が進む中、長時間勤務は美徳ではなくなった。販売元の第一三共ヘルスケアは2019年2月、「錠剤タイプ」のリゲインを発売する。その狙いは何か。

人生100年時代に向け、若々しさを取り戻すというコンセプトで生まれた錠剤タイプのリゲイン
人生100年時代に向け、若々しさを取り戻すというコンセプトで生まれた錠剤タイプのリゲイン

 昭和から平成に移り変わった1989年。新語・流行語大賞に「24時間戦えますか」がランクインした。俳優の時任三郎がビジネスマンに扮(ふん)した、リゲインのCMのキャッチフレーズだ。徹夜もなんのその。猛烈に働くことが良しとされたあの頃の日本の姿を、CMは確かに映し出していた。

 「その後、バブルが崩壊した。今では働き方改革が叫ばれ、ブラック企業という言葉も生まれた。『24時間戦えますか』は、死語になった」と、第一三共ヘルスケア商品戦略部の塙雅明氏は振り返る。

 もちろん、栄養ドリンクとしてのリゲインを捨てたわけではない。「デスクワークのお供として、何とか一晩で仕事を仕上げないといけないということはある。今までのリゲインを併売しながら、新しい時代のリゲインを作りたいと考えた」(塙氏)。

 そこで生まれたのが、錠剤タイプのリゲインである。商品名は「リゲイン トリプルフォース」で、19年2月27日に発売する。ネット通販限定で、30日分60錠4200円(税別)。決して安くはないが、健康サプリとは異なり、効果、効能をしっかりうたった医薬部外品として差別化を図っていく。

24時間→人生100年時代へ

 注目すべきは、ブランドコンセプトにある。塙氏は「24→100」という数字を示し、新開発のリゲインは24時間戦えるかではなく、人生100年時代を応援するアイテムとして売っていくと強調した。

パッケージには「未来につながる理想のカラダづくりをサポート」と掲載。健康な人生を応援するというメッセージを前面に出した
パッケージには「未来につながる理想のカラダづくりをサポート」と掲載。健康な人生を応援するというメッセージを前面に出した

 ヒトは加齢とともに老化する。しかし、老化のスピードは遅らせられる、という発想から開発はスタートした。リゲインとは英語で「取り戻す」という意味。「若々しさを取り戻す」という新たなコンセプトで、いつまでも長生きで元気で健康でいたいと願う全ての男女を取り込む狙いだ。

 戦うフィールドも従来の栄養ドリンクから切り替える。狙うのは、「1000億円の市場規模がある」(同社)とされる、エイジングケア・健康維持サプリ市場だ。

 ヒトの老化は体内の酸化、糖化、炎症という3つの原因により進むとされている。第一三共ヘルスケアが、老化の根本的な原因を探ったところ、「エネルギー代謝の衰え」に行き着いた。

 そのエネルギー代謝を高めるカギを握るのが、ミトコンドリア。ヒトの体は約60兆個の細胞から成り立っているが、糖と脂質は、このミトコンドリアによってATPというエネルギーに変換される。

 つまり、ミトコンドリアは、ヒトのエネルギーを生み出す「生産工場」だ。しかし、加齢とともに体内の酸化が進み、その機能は衰えることが知られている。実際に70歳の高齢者は27歳の若者と比べてミトコンドリアの活性が4割も下がるというデータがある。ミトコンドリアの機能低下は、細胞の老化に直結する。