米での実験店舗は1人ずつの入店

 スタンダード・コグニションでの実験店舗では一体どんな顧客体験を提供するのか。米サンフランシスコ在住の江原が早速訪問した。

スタンダード・コグニションの実験店舗がサンフランシスコにオープンした
スタンダード・コグニションの実験店舗がサンフランシスコにオープンした

 サンフランシスコに18年9月、初の実験店舗をオープンさせたスタンダード・コグニションは、店内に設置したカメラのみで消費者の行動を解析し購入したものを判定する。実験店舗は、1人ずつの入場で、入店時に決められた場所で専用アプリでチェックインし、買い物が始まる。店内にはサポートスタッフが1人いて、チェックインする場所や買い物袋を取った後は退店するだけという流れを説明してくれる。

 店内には、生活用品、スナックや飲み物などの商品が置かれていたが、駅のキオスクにあるような品ぞろえで、加工食品など日持ちしない商品は取り扱っておらず、買ってみたいと思うような特別な商品はなかった。筆者は、ポテトチップスのみを購入し退店。外に出て1分ほどでレシートがアプリで表示された。これはAmazon Goより随分早いようだ。外に待機していたスタッフから内容に間違いがないか、気になったことがないかなどの質問を受けて体験終了。

 現場には創業者もいて来店者に積極的に意見を求めていた。複数人で入場ができなかったため、実際の店舗でどのような精度でこの技術が提供されるのか想像しづらかったのは残念ではあったが、レジに並ばなくていい体験というのは想像通り非常に快適であった。

実験店にはスタンダード・コグニションの創業者も訪れ、利用者にヒアリングをしていた
実験店にはスタンダード・コグニションの創業者も訪れ、利用者にヒアリングをしていた

 スタンダード・コグニション同様にカメラのみを使ったソリューションは、イノキョウ(Inokyo)、エイアイポリー(Aipoly)も取り組む。いずれも顔認識を使わずプライバシーに配慮したもので、類似ソリューションに比べて店舗の導入コストが比較的安いのが売りだ。Aipolyは首から下の関節の動きを認識して個々の客を識別しているAipoly参考動画)。 Amazon Goと同様に、カメラに加えて重量センサーも用いたソリューションを提供するジッピン(Zippin)、同時に500人までを識別できる大型店舗まで対応するアイファイ(AiFi)などがある。

 これらはどれも、専用アプリをダウンロードし、クレジットカードを登録した上で、店舗の端末をスキャンして入場するかアプリでチェックインした後、買い物をしてそのまま店外に出るだけの「Just Walk Out」方式である。最大のメリットは、入店後買い物をして外に出るだけという簡易さにあるが、買い物内容のレシートが届くのに数分かかることもあり、内容を確認し終えるまで実際はその場を離れにくいという欠点もある。