12月8日未明、国会でチケットの高額転売を禁止する法律が全会一致で成立した。人気のコンサートやスポーツのチケットが発売するや一気に買い占められてしまい、すぐに、時には定価の10倍以上といった高額で転売サイトなどに並ぶ光景は日常茶飯事。新法はその抜本対策になるのか、エンタテインメントの法務に詳しい福井健策弁護士に聞いた。

Q1 今年には、最大手の転売サイト「チケットキャンプ」の前社長まで詐欺の共犯容疑で書類送検される(その後、起訴猶予)など、現行法での摘発も相次ぎ、社会問題化したチケット買い占め・転売問題。新法の内容はどんなものでしょうか?

A1 正式には「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」という長い名前だ。次の条件を全て満たすイベントチケットが対象となる。

  1. 販売される(i)日時、及び(ii)座席(又は資格者氏名)の指定券であること
  2. 興行主の同意なき有償譲渡を禁ずる旨、販売時及び券面に明示があること
  3. 販売時に購入者の氏名と連絡先を確認のうえ、券面にその旨を明記していること

 こうしたチケットについて、「業」として行う「定価を超える価格での譲渡」と「その目的での譲り受け」が規制され、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になる。よって、それ以外の乗車券や物品、イベントでも「期間中有効チケット」などは対象外だ。

Q2 一般のファンによる転売も摘発対象になりますか?

A2 対象になるのは「業」としての転売や転売目的での譲り受けだ。「業」とは、同じ行為を反復継続すること、あるいは1回目でも反復継続の意思を持って行うことを言う。よって、たまたま急用で行けなくなってしまったチケットを転売しても、この法律では規制されない(ただし、転売が主催者やチケット会社の利用規約への違反となって入場できない場合はあり得る)。同じく、対象となるのは定価を超える譲渡なので、不要チケットの定価やそれ以下での転売は最初から対象外となる。

 他方、たとえファンでも小遣い稼ぎなどの目的で転売や転売目的での購入をくり返すと「業」と認定され、罰則対象となるので要注意だ。無論、状況から見て明らかに転売目的なのに、「たまたま行けなくなったチケットです」と書いておけば逃れられるというほど甘いものでもない。

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