経済産業省は2018年6月、「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」を公表した。データ編とAI(人工知能)編に分け、契約の際に注意すべき点や考え方を解説している。ガイドラインが示す重要なポイントを、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の中崎尚弁護士に聞いた。

Q1 「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」とは何ですか?

A1 AI・データの利用に関する契約ガイドラインは、2018年6月に経済産業省から公表されたガイドラインで、「データ編」と「AI編」から構成されている。データ編では、データの利用、加工、譲渡その他の取り扱いに関する契約(データ契約)に関して、契約類型ごとに法的論点や注意事項を解説する。AI編では、AI開発・利用にまつわる基本的な技術概念を整理したうえで、AI技術を利用したソフトウエアの開発・利用に関する契約の考え方を整理する。

Q2 これまでガイドラインはなかったのでしょうか?

A2 AI・データ契約に関しては、これまでも、「データに関する取引の推進を目的とした契約ガイドライン」(15年)、「データの利用権限に関する契約ガイドラインver1.0」(17年)が公表されていたが、データ・オーナーシップを巡る問題、複数の当事者が関与して新たにデータを創出する場合の権利問題等、ビジネスの場面での新たな課題への対応が十分とは言えなかった。このため、ビジネスの現場で具体的に応用しやすいガイドラインが求められていた。

Q3 データ編はどのような内容ですか?

A3 データ編では、①【データ提供型】、②【データ創出型】、③【データ共用型(プラットフォーム型)】の3つの