複数の医療機関が保有する患者の医療情報などを掛け合わせた「医療ビッグデータ」の活用を後押しすると期待される、次世代医療基盤法が2018年5月に施行された。どのようなスキームで活用が進み、どのようなメリットがもたらされるのか。ビッグデータの法規制に詳しい、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の中崎尚弁護士に聞いた。

法律の施行により、最適医療の提供、異なる医療機関や領域の情報を統合した治療成績の評価、最先端の診療支援ソフトの開発、医薬品等の安全対策の向上などが期待される
出典 内閣官房・内閣府「医療分野に資するための匿名加工医療情報に関する法律について」

Q1 次世代医療基盤法とはどのような法律で、施行によって何が可能になるのか?

A1 医療ビッグデータ法とも呼ばれており、18年5月に施行された新たな法律である。医療機関が初診時に患者に対して書面で通知し、後からでも拒否ができる「オプトアウト」の手続きを整えることで、患者の医療情報を特定の第三者に提供できるようになる。

 この特定の第三者を「認定匿名加工医療情報作成事業者」と呼び、複数の医療機関の情報を掛け合わせた医療ビッグデータとしての活用が可能になると期待されている。具体的には、(1)最適医療の提供、(2)異なる医療機関や領域の情報を統合した治療成績の評価、(3)最先端の診療支援ソフトの開発、(4)医薬品などの安全対策の向上などである。