SNSで120万人超のフォロワーを持ち、若年女性の憧れの存在として支持を集める“ゆうこす”こと菅本裕子氏は、SNSが若者の挑戦の足かせになっていると指摘する。SNSが自由に使える時代が「インフルエンサー」という職を生んだ。にもかかわらず、そのツールが逆に若者を縛り付けているという。なぜなのか。

鹿毛康司(以下、鹿毛) アイドルを辞めてSNSで声を上げて成功できた人はそう多くはありません。

菅本裕子氏(以下、菅本) 芸能の世界にいる方のなかに、本気でSNSを運用する人は少ないです。なぜなら、本格的に運用すると世間からは「堕ちた」といった目で見られがちだからです。私も親戚の集まりなどで今の仕事を聞かれて「インフルエンサー」と答えると、「もっとちゃんとした仕事をしなさい」といったことを言われることも少なくありません。

 事務所としてもタレントのSNS利用に対して、怖いと感じる面もあると思います。芸能事務所の従業員は芸能のノウハウは持っていても、物心ついた頃からSNSが身近にある私たちの世代と比べてSNS利用のノウハウは持っていません。所属するタレントのほうがSNSについて詳しいことも珍しくありません。つまり、芸能事務所はSNSについてタレントに教えることができない。(SHOWROOMなどで流行の)生配信の動画ではマネジメントが及ばず、何を言うか分からない。それによってイメージが落ちるのではないか、という危機感が先行してしまっています。

 でも、私は人は行動をする人に引かれると思っています。むしろ、リスクを恐れて行動しないことのほうがリスクだと思います。私が最も強いと思う人は「失敗を成功に変えられる人」です。

鹿毛康司 エステー 執行役エグゼクティブ・クリエイティブディレクター。早稲田大学商学部卒、ドレクセル大学MBA。食品会社を経て、2003年にエステーへ。15年間にわたりコミュニケーション領域の責任者として活動。04年から動画コンテンツを活用、07年には「ツイッターの中の人」になるなど、ネットコミュニケーションをいち早く取り入れてきた。現在も独自サイト「エステーQ」の編集長を兼ねる