全18回

イノベーションはユーザー観察から

多くの日本企業でデザイン思考の存在感が高まるにつれて、あらためてオブザベーション(ユーザー観察)の重要性が認識されている。生活者の実態を探るオブザベーションこそ、イノベーションのスタートになる。

目次

  • 2018.05.22
  • 第1回
革新的な商品開発には「ユーザー観察」が必要だった
アンケートやグループインタビューといった従来型の調査手法からは、イノベーティブな商品を開発することが難しくなってきている。代わって注目を集めているのが、オブザベーション(ユーザー観察)だ。
  • 2018.05.22
  • 第2回
ヨガ好き30代主婦をユーザー観察してみたら……
楢崎有美さんは、東京都大田区の一戸建てに夫婦2人で暮らしている。夫婦の共通の趣味は体を動かすこと。有美さんは、不動産会社にフルタイムで勤めていて、仕事の後に週に5回の頻度で、自宅近くにあるホットヨガのスタジオに通う。「ヨガを始めてから体が引き締まり、風邪をひかなくなった」と言う。週末には、近くの川べりをジョギングする。また食事の際、血糖値の上昇を防ぐため、野菜から食べるようにするなど、健康への意識は高い。
  • 2018.05.22
  • 第3回
ツールを駆使し、家事効率化を楽しむ主婦の本音
東京都豊島区の一戸建てに住む川村美奈子さん(仮名)は、夫(44歳)、息子(9歳)と3人で暮らす専業主婦。「おいしい料理を作り、家族が健康でいられるように心がけている。台所は自分の大切な居場所であり、楽しい場所でもある」と語る。専業主婦であり、子供と夫の料理を作るため過ごす時間も長い。それだけ、自分の中で台所が占める比重は大きいようだ。
  • 2018.05.22
  • 第4回
台所は「自分の自由にできる唯一のスペース」だった
東京都港区のマンションに住む主婦の西村友恵さんは、62歳の夫と猫2匹と暮らす。生まれも育ちも東京で、学生時代の友達とは今でもよくカフェに行き、会話を楽しむ。また、バスケットなどを編む籐工芸を趣味にしていて、自宅で教室を開いている。
  • 2018.05.22
  • 第5回
ユーザー観察を基に「高級ゴム手袋」を企画したワケ
3件のユーザー観察を終え、商品企画につなげるための潜在ニーズを分析するワークショップを実施した。プラグのリサーチ担当者とデザイナーに加え、視点の多様性を確保するため識者として料理研究家とコピーライターが参加した。
  • 2018.05.23
  • 第6回
1250円の「カレー専用スプーン」はなぜ大ヒットしたのか
金属洋食器メーカー、山崎金属工業(新潟県燕市)の「カレー賢人」は、カレーを食べるためだけに開発した専用スプーンだ。2017年7月に発売するや人気に火がつき、3カ月で1万本を売り上げるヒット商品となった。安いスプーンなら100円ショップでも買えるが、カレー賢人は1本1250円(税別)という高価格。にもかかわらず人気に生産が追いつかず、18年3月にはやむなく販売を一時休止するほどだった。
  • 2018.05.23
  • 第7回
サクラクレパスが高級ボールペンを開発、大人市場に挑む
文具メーカーのサクラクレパス(以下、サクラ)は2017年9月、高級路線の筆記具ブランド「SAKURA craft_lab」(以下、クラフトラボ)を立ち上げ、2種類のボールペン「001」と「002」を発売した。サクラといえば、クレパスやクーピーペンシルが有名だ。学童用品のメーカーという印象が強いが、大人向けの筆記具も取り扱っている。水性ゲルインキボールペンを世界で最初に開発したのも同社という。だが大人向けの文具市場において存在感が薄く、サクラブランドの認知向上は課題の一つだった。
  • 2018.05.23
  • 第8回
「従業員が15分早く帰れる」スリーエムの清掃モップが売れている
慢性的な人手不足に悩まされる飲食店やスーパーマーケットなどにおいても、清掃のために専門の業者を雇う余裕がなく、現場の従業員が清掃作業も行うことが少なくないだろう。その作業負担を軽減するため、スリーエム ジャパンはユーザー観察の結果を生かした業務用の新しい清掃ツール「3M 水が出るモップツール」を2017年10月に発売した。
  • 2018.05.23
  • 第9回
日立の掃除機、日本向けと東南アジア向けは何が違う?
日立製作所は、これまで国内外でユーザー観察を実施してきた。1996年からは、海外向けの商品開発に際し、現地の生活の実態を把握するため、デザイナーを含む商品開発チームが現地の生活実態調査を行ってきた。当初のターゲットは東南アジアだった。以降、対象エリアは中国、東欧、インドなど14カ国・地域、30都市に拡大した。
  • 2018.05.25
  • 第10回
大企業は「極端なユーザー」の話を聞くべきだ
企業がオブザベーションを実践し、仮説を立案するためにはどうすればいいのか。そのポイントについて、i.schoolディレクターでイノベーションコンサルティング企業i.labのマネージング・ディレクターを務める横田幸信氏に聞いた。
  • 2018.05.25
  • 第11回
富士フイルムが作った「新規事業を起こしやすい場」とは?
富士フイルムは2004年からデザイン思考を研究・開発部門の改革に活用している。10年以上もデザイン思考に取り組んできた、インハウスデザイナー出身の小島健嗣氏に、イノベーションを起こすために必要なことを聞いた。
  • 2018.05.25
  • 第12回
今の日本企業に最も足りないのは新たなゴール設定
企業がクリエイティビティーを重視するなら、デザイナーやクリエイターとビジネスパーソンを巻き込みながらプロジェクトを推進すべきだろう。両者をうまくまとめるにはどうすべきか。博報堂のストラテジックプラニングディレクター、岩嵜博論氏に聞いた。
  • 2018.05.25
  • 第13回
新規事業を起こすには「イノベーション担当役員」が必要だ
イノベーション創出を目的とするイノベーション推進部を2018年4月に新設し、国内でも珍しいチーフ・イノベーション・オフィサー(CINO)を置いた沖電気工業(OKI)。どうすれば社内に改革への意欲が浸透するのかを、同社の横田俊之CINOに聞いた。
  • 2018.05.29
  • 第14回
ユーザー観察による商品開発は、医療分野でも有効だった
ブランドカラーの白とグリーンを配し、シンプルな形状のデザインを実現した「トルツ 皮下注射オートインジェクター」。日本イーライリリーが開発・販売している、皮膚病の一種「乾癬(かんせん)」の治療のために患者が自分で薬を注射する医療機器だ。2016年11月に発売され、17年度のグッドデザイン賞を受賞した。ブランドを色で表すことを意識し、白でまっさらな清潔感を、グリーンで元気の良さを表現したという。
  • 2018.05.29
  • 第15回
人は調理するときに約900の作業を行っていた
オブザベーションでは、ユーザー観察の結果を分析し、そこから気づきやアイデアを得ることが最も重要だ。LIXILでは、この観察結果の分析にAI(人工知能)を導入している。
  • 2018.05.29
  • 第16回
会計ソフトの弥生、新サービスの開発にデザイン思考を利用
オリックスと同グループ傘下で会計ソフトを手掛ける弥生(東京・千代田)は2017年2月、新会社のアルトアを設立した。同社はインターネットを通じて中小企業向けに融資する金融サービス「アルトア オンライン融資サービス」を提供しており、この開発にデザイン思考を活用していることを明らかにした。
  • 2018.05.29
  • 第17回
警視庁交通規制課が仕掛けた「みん転会議」が大盛り上がり
2018年3月13日に東京・渋谷で「みんなで、たまには自転車交通安全の未来を語り合ってもいいんじゃないか会議」、略称「みん転会議」と呼ぶワークショップが開催された。自転車の交通安全を目的にディスカッションするイベントで、サイクリストや親子連れ、会社員など約100人が参加。著名なクリエイターによるトークセッションの後は参加者が5〜6人ごとのグループに分かれ、「東京を、世界で一番、自転車に優しいまちへ」をテーマに「マナーを守る」「ルールと意識」「走行環境」といった切り口で対話した。参加者は自分の考えやアイデアを付箋に書いてボードに貼り付けたり、別のグループの意見を熱心に聞いたり。議論が白熱してしまい、終了予定時間を大幅に過ぎるなど、非常に盛り上がったイベントだった。
  • 2018.05.30
  • 第18回
元ソニー社長が語る、日本企業がアップルになれない理由
「日本の産業の国際的地位が低下したのは、イノベーションが起きなくなってしまったのが最大の原因」と語るのは、元ソニー社長で現在は一般社団法人 Japan Innovation Network理事や公立大学法人 長野県立大学理事長などを務める安藤国威氏だ。日本がもう一度輝くための5つの課題と指針を提言する。

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