←目次 デザインの限界

「変なホテル」のブランディングを担当するGRAPHの北川一成氏とともに、広告やパッケージにとどまらない総合的なデザイン戦略の重要性を、実例を基に考える連載企画。第1回は、酔い止めサプリ「スパリブ」の前編。口コミでじわじわと人気が広がり、EXILEともコラボ商品を開発するなど、隠れたヒット商品だ。そのデザイン戦略を「課題」「検討」「解決策」の順に追う。

「スパリブ」のパッケージは一見すると酔い止めのサプリメントとは分からない。大酒飲みだと思われると恥ずかしいと感じる女性に向けてデザインした。10粒入りと20粒入りのパッケージは、角の折り目部分に箔押しで金のラインをあしらっている。大量生産するパッケージでこの加工を施すのは容易ではない。知的財産であるデザインを、まねしにくい印刷・加工で守るという考えだ。印刷・加工もGRAPHがディレクションしている

 「スパリブ」はアルコール代謝酵素をサポートする成分と、二日酔いなどの原因物質のアセトアルデヒドを中和する抗酸化成分の両方を含んだサプリメント。スイスの医療系財団であるTIMA財団の理事長で、ドイツの名門ワイナリー、グライフェンクラウ伯爵家のマーカス・マチューシカ氏が発案し、犬房春彦氏の研究チームに開発を依頼。犬房氏は抗酸化研究を専門とする医学博士で、スパリブを7年かけて開発した。

 発売は2010年。2012年5月にGRAPHの北川一成氏が、ブランディングの一環としてパッケージデザインをリニューアル。2013年から全国のファミリーマートで販売開始し、現在はマツモトキヨシやドン・キホーテなどにも販路を拡大。着実に売り上げを伸ばし、すでに「1回3粒換算で累計300万個販売した」(犬房氏)。