コンビニエンスストアやファストフード店のレジ横にある募金箱。最近、小銭を入れているだろうか? キャッシュレス決済に切り替えてお釣りを受け取る機会が激減し、募金から遠ざかっている人も多いはず。では募金を集める側は、キャッシュレス時代にどう募金集めをしたらよいだろうか。

(画像/マクドナルドYouTubeチャンネルの動画より)
(画像/マクドナルドYouTubeチャンネルの動画より)

 「マクドナルドにある募金箱。その使い道、ご存じですか?」――。

 記者が乗り換え途中に寄ったマクドナルド恵比寿駅前店で、注文した品を待っていると、こんなメッセージで始まる動画が店内のサイネージに流れた。マクドナルド店頭のレジ脇に置かれている募金箱の募金は、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが設置する「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の運用に充てられている。これは世界40カ国以上で展開されている病児とその家族のための宿泊施設で、国内には国立成育医療研究センター(東京・世田谷)や東京大学医学部付属病院(東京・文京)の隣接地など、11カ所に施設がある。

 2分弱の動画の内容は、募金してくれた来店客に対する患者家族からの感謝のメッセージがメイン。最後は、その動画を見た親子が募金箱に小銭を投函するシーンだ。

 記者は動画にジーンとくると同時に、久しくマクドナルド来店時に募金をしていないことに気づいた。理由は明白。キャッシュレス決済に切り替えたことで、小銭を受け取る機会がなくなったからだ。

 2018年のマクドナルド全店舗に設置された募金箱の募金総額は5229万円。他の店頭施策と合わせて1億422万円を集めた。店頭募金箱の募金総額は、16年、17年は7000万円を超えていた。もっとも18年は、7月の豪雨や北海道胆振東部地震などに向けた募金を実施し、別途1500万円以上を集めている他、チャリティーキャンペーンの有無も影響するため、単純比較は難しい。それでも、募金箱への募金が頭打ちから漸減傾向にあるのは確かだ。ちなみに07年は、現在より店舗数が900店ほど多かったこともあり、財団への寄付額は1億7500万円に達していた(ハッピーセット1円募金などを含む)。

 マクドナルドは、店頭での支払いをスムーズにすべくキャッシュレス決済の導入に積極的に取り組んできたことで、「キャッシュレス決済の比率は年々、着々と増えている」(同社広報)。また、注文と受け取りを別のカウンターに分けるデュアルポイントサービスや、注文品を席まで届けてくれるテーブルデリバリーサービスの導入で、募金箱があるレジ前の滞在時間が一段と短くなっている。

 日本マクドナルドCSR部統括マネージャーの高崎明美氏は、「キャッシュレス決済の浸透が募金に与える影響について、問題意識は以前から持っている。店頭だけでなく、募金できる機会・接点の拡大に向けて取り組みを進めているところ」と説明する。

 その柱となるのが、デジタル活用だ。“デジタル募金”は常設型とイベント型が2つずつ、計4タイプある。