広報の仕事は企業の規模によっても違ってきます。大企業なら当然のようにできることが、ベンチャーだと途端にハードルが高くなる、ということも。今回は大企業とベンチャーの両方の広報業務を担当した経験に基づき、その違いについて整理します。

大企業とベンチャーの広報の違いに悩むことも…… ※写真はイメージです(写真:oleschwander/Shutterstock.com)
大企業とベンチャーの広報の違いに悩むことも…… ※写真はイメージです(写真:oleschwander/Shutterstock.com)

ソニーでは通用したことがベンチャーでは……

 「大企業の広報とベンチャーの広報は全く別物」「真逆」と、聞くことがあります。実際に両方を経験して、確かに違いました。

 かなり前の話になりますが、ソニーを辞めた後、ある会社のプレスリリースを持って媒体を回ったとき、ベンチャー企業にとって大マスコミの壁は高いのだと痛感させられました。

 「プレスリリースをお持ちしました」と言えば開けてもらえたドアが開けてもらえない。「ポストに入れておいてください」とか、「担当者がいないので、受付に渡しておいてください」とあしらわれてしまいました。

 ショック! 自分自身の力を過信していたんですね。本当に恥ずかしかったです。会社のブランドにどれほど支えられていたのか身をもって感じました。

 今考えると、確かに“不審”です。知らない会社のリリースをフリーランスの遠藤という人が説明しに来たなんて、気持ち悪いですよね。普通は距離を置きますよね。私もそうします(念のため書いておきますが、優しく対応してくださる方もたくさんいらっしゃいます)。

 しかし、ソニーのときは意外とこれが通用していたのです。直前まで言えない案件の場合は、当日までアポなしで行くことさえありました。

 私がベンチャーの広報をお手伝いするようになって、音信不通になったメディアの方もいます。実際に「利用価値なし」と判断され、(無視されたな……)と思われる方もいます。

 ですが音信不通のうちの何人かは、私のメールアドレス(無料のメールアドレスではありません)が迷惑メールと判断されて、自動的にゴミ箱に入ってしまったという場合もあったようです。いくつかのアドレスで同じようなことが起きました。

 「え? 遠藤さん、メール届いてないよ」

 と、何度聞いたことか。こちらは送ったつもりでも、100%届いているとは限らないなんて恐ろしいことです。知名度が低いと、色々なことが起こりますね。