タレントや社長が登場する製品発表会を仕切り、テレビからの取材にも対応。外資系企業なら日本から記者を引き連れ、海外での発表会なんてこともある広報の仕事。憧れる方も多いでしょう。夢を打ち砕くようで申し訳ありませんが現実を知ることも大切です。今回は地味な仕事の裏側の一端を紹介します。

プレスリリースを準備しないと……※写真はイメージです(写真:Narin Nonthamand / Shutterstock.com)
プレスリリースを準備しないと……※写真はイメージです(写真:Narin Nonthamand / Shutterstock.com)

これが海外出張の現実です……

 以前、ガッキー出演の『空飛ぶ広報室』(TBS)というドラマをやっていましたね。“ガッキー”こと新垣結衣さんは、人気タレントを輩出している新潮社のローティーン向けファッション誌『nicola(ニコラ)』のカリスマモデルとして人気を得て、その後すてきな女優さんへと成長されました。まあガッキーの説明はいいのですが、白状しますと実はこのドラマを見ていません。しかし、ガッキー(ドラマではテレビ局のディレクター役)のあの爽やかさ+広報室というのが、もしかして世間が抱く広報という仕事の印象なのではないでしょうか。

 というのも、「広報、私もやりたいんです~」という方に、1年に何人か必ず遭遇するからです。その中には情報に対するセンスがあり、対人スキルも高く本当に向いていそうな人もいます。しかし結構な割合で、広報という職場に華やかで甘美な夢を抱いている方がいるようです。世の広報職を代表してコメントさせていただきます。

 いえいえ、とっても泥くさい仕事です。

 私は外資系企業の広報を何社か経験していますが、海外の展示会での発表に合わせて現地に行くことがあります。華やかな印象を持たれるのは、たぶんこういうのがいけないのだと思うのですが、実態は以下の通りです。

 10数時間エコノミークラスでほとんど一睡もできないまま現地入りし、すぐにホテルに入ってプレスリリースや新製品のスペック表、広報画像データなどの準備をします。その間に現地取材するマスコミの方に連絡もします。冷房の効きすぎるホテルの部屋から一歩も出ることなく、冷え切ったサンドイッチをかじりながら黙々とこれらの作業をこなし、睡魔に襲われうとうとしているところに日本国内の関係部門からの電話でたたき起こされ、ほぼ間違いなく徹夜のまま発表会に突入します。

 なんとか発表会が終わると、今度はそこから問い合わせの電話が携帯にバンバン入ることになります(このあたりで資料に間違いがあったことが発覚し、へこみます)。ここまで成田を出てから時差のあるなか、ほぼ不眠不休で、辛うじて一休み入れられたかと思うと今度はリポートの催促……というのが私にとっての広報の海外出張です。