現役広報パーソンがその仕事の裏側を明かしながら、豊富な経験から得た知見を紹介するこのコラム。今回はソニーを経て、現在、広報コンサルタントとして活躍する筆者が、この仕事をするに至った経緯を基に、広報パーソンに必要な資質について考えます。

最初はつらいハードルの連続だった広報の仕事も、何度も飛び越えていくうちにゲーム感覚に(写真:siraanamwong/PIXTA)
最初はつらいハードルの連続だった広報の仕事も、何度も飛び越えていくうちにゲーム感覚に(写真:siraanamwong/PIXTA)

たくさんのしょっぱい経験を乗り越えて

 広報の仕事を続けていると、社内外からかなり厳しい言葉を浴びせされることがあります。例えばこんな……。

 【社内からの厳しいコメント】 
・「広報は秘密の事もマスコミにリークしそうだから、詳しく話したくない」
・「広報は忙しいと言っているけど、何をやっているのか分からない」
・「取材アテンドで座っているだけなら、いなくていいんじゃない?」
・「広報がプレスリリースを書く意味ある?」
・「広報って、社内の情報を右から左にマスコミに流しているだけの仕事だよね」
・「マスコミでもないくせに、マスコミの意見が本当に分かるのかよ」
・「マスコミと会社、どっちの味方なんだよ」

 【社外からの厳しいコメント】 
・「広報なのにすぐ答えられないとか、ありえないんだけど」
・「忙しいんだけどさー、話はそれだけ?」
・「君じゃ話にならないから、上司に代わってくれる?」

 こうしたパンチの効いたコメントは、今でも忘れられません。それでも「せっかく傷付いたのだから元を取りたい!」という気持ちを原動力に、何度も“しょっぱいハードル”を飛び越え、その飛び方を研究してきました。すると広報の仕事が、一種のゲームのように思えてきたのです。

 人に言わせると私は“多少厚かましい”らしく、しょっぱいハードルもあえて密に相手とコミュニケーションを取ることで解決の糸口を見つけ出してきました。今振り返ると、この“多少厚かましい”が、広報にとって大切な資質に思えてなりません。実際、自分の人生を広報という仕事に懸けることになったのは、この資質がきっかけでした。