MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の普及は、広告ビジネスにも大きな影響をもたらす可能性が高い。いち早く動くのが電通だ。同社はMaaS時代の広告サービスに向けて特許を出願中。ディー・エヌ・エー(DeNA)は広告主が運賃を負担する0円タクシーを実現した。新たな取り組みが広がっている。

日清食品の「どん兵衛」が広告主になることで実現した、ディー・エヌ・エーの0円タクシー
日清食品の「どん兵衛」が広告主になることで実現した、ディー・エヌ・エーの0円タクシー

 「コンテンツと広告の境目がなくなる。ルート、移動時間、空間を組み合わせたターゲティングで適切な情報を提供する必要がある」

 電通ビジネス・ディベロップメント&アクティベーション局新産業開発部の曽伯文ビジネスプロデューサーはMaaS時代の広告サービスの方向性をこう予見する。

 MaaSの普及によって、「複数の交通機関を超えて、移動を1つの単位としてみなせればターゲティング精度の向上が見込める」(曽氏)。より精緻に移動経路が分析できるようになる可能性が高い。

広告はMaaS事業の収益の柱の1つとしても期待がかかる。一方で、プライバシーに深く関わるデータだけに、単なる広告の配信に使っていては不信感を招きかねない。利用者にとって役立つ情報でなければ、広告はますます嫌われる存在になってしまう恐れがある。

 こうした懸念も踏まえて、電通ではMaaS時代の広告サービス開発に向けて「広告配信の仕組みの特許を出願中」(曽氏)だ。現在、出願中のため詳細は明かせないと前置きしながらも、その一端を日経クロストレンドに明かした。