米シリコンバレーを拠点に企業のAI活用・導入を支援するパロアルトインサイトCEOの石角友愛氏とCTOの長谷川貴久氏が、米国のビジネスと技術の最新情報から、次のトレンドを予測する連載。第1回はD2Cというビジネスモデルを取り上げる。

米メガネ専門店のワービーパーカーなど、バーティカルな商品・ジャンルの店舗は設けるが、その機能はほぼショールームで、商品は宅配などで直接顧客に届けるというビジネスモデル「D2C」(ディレクト・トゥ・コンシューマー)が注目されている(写真/Shutterstock)
米メガネ専門店のワービーパーカーなど、バーティカルな商品・ジャンルの店舗は設けるが、その機能はほぼショールームで、商品は宅配などで直接顧客に届けるというビジネスモデル「D2C」(ディレクト・トゥ・コンシューマー)が注目されている(写真/Shutterstock)

 米アマゾンの脅威による店舗ビジネスの終焉(しゅうえん)、といったイメージが多い小売業界だが、米国の消費の実に91%がいまだに店舗で行われているというデータがある。小売大手の米ウォルマートは、オフライン(店舗)とオンラインとをつなげたオムニチャネルにビジネスを展開し、オンラインの売り上げを前年比で40%アップし、投資家の期待を上回る結果を出した。

 しかし、アマゾンに頼らずにものを売ることができるのは規模の経済を実現できる大手だ。ほとんどの中小サイズの店舗やメーカーが、アマゾンに出店し高い手数料を取られる現実を受け入れるか、地域に特化してやっていくか。

 そんな中、アマゾンに依存せずに急成長をしている米国のメーカーがある。メガネ専門店のワービーパーカーや、マットレス専門店のキャスパー、スーツケース専門店のアウェイ、ファッション専門店のエバーレインなどだ。共通しているのは、(1)ディレクト・トゥ・コンシューマー(D2C、オンライン直販)モデルなことと、(2)オンラインから始めて、オフライン展開していること。そして、この2つのトレンドがAI(人工知能)活用と相性が良いというのも面白い点である。