発売当初の懐かしいCMを復刻したカルビー「じゃがりこ」。新CMは改元発表直後に「令和」の文字を入れて放映したり、キャラクターの川口春奈が当時の音声に合わせて食べたりという心憎い演出も。8年前は制服姿だった川口が、再登板の今回は大人の雰囲気を漂わせ、定番商品の活性化に挑んだ。

今回のキャラクター:川口春奈
■製品:じゃがりこ
■企業:カルビー

<クリエーターズファイル>
■クリエーティブディレクター:中井川功
■プランナー:金田 靖・村橋 満・足立昌彌
■アートディレクター:清水光、大島裕美
■プロデューサー:勝藤朝風
■プロダクションマネージャー:福田有理
■監督(演出ディレクター):金野恵利香
■カメラマン:宮原夢画
■広告代理店:ADKマーケティング・ソリューションズ

 じゃがりこ、じゃがりこ、じゃがりこ――。ペースに緩急をつけた声とカリカリという咀嚼(そしゃく)音に合わせ、カメラ目線で濃いめのメークをした“女性”がじゃがりこをかじり続ける。「どこかで見たことあるな?」と思った視聴者も多いだろう。それもそのはずで、1995年の発売当時のCMを復活させたのだ。ただ1つの大きな違いは、今回起用されたキャラクターが川口春奈であるという点。その狙いは、平成から令和へ変わる時代の節目にメインターゲットの女子高生に再びアピールするためだ。

 「カルビーがCMを打つのは、基本的に大型の新商品を出すとき。認知獲得とトライアルを狙って1~2本程度」と、カルビーマーケティング本部PR・宣伝担当部長の野堀和哉氏はCM戦略の基本姿勢を説明する。

 「少し前までは、じゃがりこのような“認知度100%”のロングセラーブランドにCMを打つことはなかった」と野堀氏。ちなみにじゃがりこは13年を最後にテレビCMを作っていなかった。限られた広告宣伝費の使い道を模索しながら、同氏は「いくら認知度が高くても、コミュニケーションをしなければ消費者に想起してもらえない」というジレンマに頭を悩ませていた。

 さらに「デジタル時代といえども、SNSは先読みが難しく大ブームは狙いにくい。世の中を動かすリーチ力があり、最も効率的な手法は、やはりテレビCM」(野堀氏)と、ロングセラーブランドでもテレビCMを打つ必要性を強調する。

 女子高生のかばんにもすっと入れられるカップ型容器のじゃがりこは、「持ち運べるスナック菓子」というコンセプトで登場して以来、今でも若年層に支持され続けている。

 「じゃがりこは唯一若年層をターゲットにした商品で、カルビーを支えていく最も重要なブランド。平成を代表する菓子でもあり、平成が終わるタイミングでそれを伝えられるCMなら、消費者の心により強く刺さるはず」(野堀氏)と、18年秋に千載一遇のチャンスを生かし、8年ぶりにCMを制作することに決めた。

 「今年しかできないCMなら、今でも覚えている人が多く、資産になっている第1作のイメージを使うしかない」(野堀氏)との読みから、リメークCMのプランを採用。メインターゲットの女子高生に加え、主要購買層の主婦との親和性が高いこともリメークを後押しした。

 新元号発表直後の4月8日、即座に「令和」の文字を入れたバージョンの放映を開始。編集スタッフがスタジオで待機していたからこそ実現できた“離れ業”だった。このCMを4月は集中的に流した。

スタジオで待機していたスタッフが新元号発表直後に「令和」の文字を入れて超特急で編集。「令和」バージョンが流れたのは4月のみ
スタジオで待機していたスタッフが新元号発表直後に「令和」の文字を入れて超特急で編集。「令和」バージョンが流れたのは4月のみ