SXSWは米オースティン市内の会場外でも多くの関連イベントが開催された。中でも食品関連のテクノロジーを扱うフードテックは、多くの来場者を集めるイベントだだ。「Food+City」のアワードでは、塗るだけで消費期限を延長する技術など10社がピッチを展開した。

10社のスタートアップから4社が選ばれた(Food+Cityによる表彰式)
10社のスタートアップから4社が選ばれた(Food+Cityによる表彰式)

 2019年3月11日にはSXSWメイン会場からクルマで10分ほどのイベント会場に多くのスタートアップが集合していた。テキサス大学をベースに活動する「Food+City」が開催したピッチイベントには、10社のスタートアップがファイナリストとして参加した。

 Food+Cityエグゼクティブディレクターのジョイ・ネイザン氏は「我々は将来の食物供給を変えていくイノベーティブな人々を探しており、我々の呼びかけに約100人が参加してくれた」と述べた。

 その後、10社のスタートアップがピッチを展開。審査員と会場からの投票で、順位が決められた。食の安全性や現場の生産性向上にフォーカスした企業の受賞が多かった。

 イベントを聴講していた外村仁氏は、「SXSWのイベントらしく、荒削りだが、ビジネスを楽しんでいることが伝わってくる。技術指向というよりも、顧客や現場と向き合って、課題を解決するためにまずはやってみるという提案をするスタートアップが多かった」と指摘する。外村氏は、米サンフランシスコに拠点を置くベンチャーキャピタル(VC)のスクラムベンチャーズでパートナーを務め、フードテックの動向に詳しい。

カット野菜をオゾンで洗浄

野菜をオゾンで洗浄する提案をした、米エンソリューション
野菜をオゾンで洗浄する提案をした、米エンソリューション

 1位に輝いたのは米エンソリューション(En Solucion)だ。オゾンガスを含む微細な泡で収穫物を洗浄することで、農薬などを落として食物の安全性を高める装置を提案している。例えば、カット野菜をパックして販売しているような事業者での利用を想定する。

 ケントン・ハーマーCEO(最高経営責任者)は「消費者はもちろんだが、野菜の流通過程にいる作業者の安全も高めることができる。そして環境の保護にもなる」と説明する。今年中にパイロット設備を稼働させて、2020年から2022年にかけて市場に投入していく考えだ。

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