中国では1年前、購入する各商品に貼られた電子タグ(RFID)を出口近くのセンサーで読み取って購入金額を算出するコンテナ型の無人コンビニエンスストアが大はやりだった。しかし、2018年秋、RFIDに代わって「Amazon Go」と同じくカメラとAI(人工知能)を活用する省人型コンビニが登場。今後は中国でもAmazon Go型の店舗が増える見込みだ。

上海虹橋国際空港第2ターミナルにある省人型コンビニエンスストア「云拿智慧商店(LePick)」

 中国・上海の空の拠点の1つ、上海虹橋国際空港第2ターミナル3階の一角に、カメラとAIを活用する省人型コンビニエンスストア「云拿智慧商店(LePick)」はある。運営しているのは、2017年に上海で設立されたテックスタートアップの云拿科技(CloudPick)だ。

入り口と出口はゲート状になっている。入るにはQRコードをかざすが、出るときは特に何もする必要はない

 入り口は2カ所、出口も2カ所で、店を利用したいユーザーは、まず自らのスマートフォンで決済アプリ「微信支付(ウィーチャットペイ)」を呼び出し、アプリ内のミニプログラムを使って云拿智慧商店の自動決済システムと自身の決済アプリのIDをひも付けてから、入り口のゲートにQRコードをかざして入店する。

 後は店内で欲しい商品を探し、それを持って出口ゲートを通り、店の外に出るだけだ。通常の小売店やRFIDを活用した無人コンビニのように、決済アプリをかざすなど、決済のための行動は必要ない。店内の天井に10台以上据え付けられたカメラで店内の動きを撮影しており、この画像を、独自アルゴリズムを搭載したAIで分析することで、誰がどの商品を購入したかを判定する。ユーザーが退店する際には、ユーザーのアカウントに購入商品一覧リストを送信。ユーザーが何もしなければ承認されたとみなし、数秒後に決済アプリを使って自動決済されるという仕組みだ。Amazon Goと同じウオークスルータイプである。

店員がいる他、入り口横には入店と決済方法を図解した解説が掲げられている

 18年10月31日に開業した上海虹橋国際空港の店舗はレジスペースがなく、台形の店舗の中に島型の棚が3台と、壁際にも棚が置かれている造り。日本のコンビニにあるようなコーヒーマシンも設置されている。広さは50平方メートルほどで、現在は2つの入り口前に店員が常駐し、来店したユーザーに入退店や決済の仕組みを解説しつつ、入店できるユーザー数を20人程度に制限している。店内に同時に多数の来店客がいると、画像撮影やAIによる判定がまだ追い付いていないからだという。今後、カメラの撮影画角や解像度、それに収集・蓄積されたデータが増えてAIの分析精度が高まれば、入店可能な人数も増えると予想される。

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