ドラッグストア大手のココカラファインは、本特集第2回で紹介したローソンと同様、経済産業省が主導する電子タグ(RFID)を活用した実証実験に参加した。実は同社が目指すのは、RFIDの活用にとどまらず、効率的な発注システムの導入やレジの刷新といったデジタル技術の導入で、店員の作業を軽減し、接客に割く時間を捻出することだ。その狙いと取り組みを追った。

経済産業省主導の実証実験に参加したココカラファイン清澄白河店(東京・江東)
経済産業省主導の実証実験に参加したココカラファイン清澄白河店(東京・江東)

 「店舗改革を推し進める最大の理由は、店頭での店員の“作業”を減らし、接客に割く時間を作り出すためだ」

 ドラッグストア大手のココカラファインで上席執行役員経営戦略本部IT・物流開発部長を務める尾池泰之氏は、同社がデジタル技術を駆使して店舗改革を進める理由をこう説明する。

 ドラッグストアの場合、訪問客から「こんな症状に効くクスリはないか」といった相談を受ける機会が多く、一定の商品知識がないと店員は務まらない。そのため、店員を対象にした研修を定期的に実施するなど、「店員教育に一定の投資をしている」(尾池氏)。また店員の多くは、薬品を販売するために必須の薬剤師や登録販売者といった資格を持っている。

 そうした店員がそろっているにもかかわらず、ココカラファインの場合、店員の仕事の90%は、商品の発注管理や棚出し、顧客が購入した商品の決済などの“作業”に費やされ、接客に割ける時間は「全体の10%程度」(尾池氏)しかない。店員の技能を有効活用して接客し、収益向上につなげるには、その前提として、「デジタル技術を使った効率化で仕事をできるだけ減らし、接客に振り向ける店員の時間を増やす必要がある」(尾池氏)わけだ。

 尾池氏は「私見だが」と断りつつ、「進めている手立てで、店員の作業量をおおまかにいって30%ほど削減できると考えている」と語る。そのために現在、取り組んでいるのが、商品の発注効率化とレジの刷新、RFIDによる商品管理などだ。

発注を効率化するシステムを2020年3月期中に導入

 商品の発注については、「発注を効率化するためのシステム」(尾池氏)を、2020年3月期中に導入する予定だ。完全自動発注とはいかず、店員がデータを入力するところはこれまでと変わりないが、「従来の発注に必要だった店員の作業量を10とすると、3の作業量で済むようになる」(尾池氏)という。将来は、センサーの活用や、RFIDとセンサーの組み合わせ、カメラで撮影した画像データの分析などの手法を複合的に用い、顧客がどんな商品を購入し、いつまでに何の商品を発注すればよいかといった判断を自動化できるシステムの構築を目指す。