コンテンツを楽しめる幅を増やす事業に投資

メディア・アーツ事業部では具体的にどんなことをするのでしょう?

ここはアニメへの展開やネット動画、2.5次元舞台化、音楽コンサートといった事業全体を扱う専門部署です。これまでも当社は多くのライブやコンサートを開催してきましたが、お客様の需要は拡大しています。メディア・アーツ事業部が横断的な部署として、ゲームの原作だけではなく、出版事業の漫画作品なども含めて、映像や音楽、舞台などに展開する役割を担います。

 デジタル販売でゲーム事業の収益基盤を作り、その上で、コンテンツを総合的、継続的に楽しんでもらえる仕組みを作る。収益基盤のことを「リカーリングインカム」(継続収益)と社内では説明していますが、これが厚くなることで新しい投資ができるようになるのです。

その「新しい投資」にはアトラクション施設などもあり得ますか。

いいえ、大規模なアトラクション施設は現段階では予定にありません。ですが、例えば舞台なら、単にお芝居を上演するだけではなく、当社らしく、プロジェクションマッピングを発展させたような映像技術などを絡めた方法を考えています。

技術面での投資も考えていますか?

この先どうなるか分かりませんが、ブロックチェーンを活用した技術には非常に興味がありますね。特にUGC(User Generated Contents)として、ブロックチェーンがどのようにゲームの作り方に影響を与えるのか、ブロックチェーン技術を使ったゲーム、コンテンツサービスはどのようなものなのか、研究しているところです。

 研究はまだ始めたばかりですが、例えば、ユーザーが作ったコンテンツ(アイテムやキャラクターなど)が、オープンなマーケットを通じて流通し、履歴を含めて個別に識別され、我々のゲームの中に登場できるようになる。そうして個々に識別されたデジタルアイテムが流通し始めるといった未来があるかもしれません。

ゲームストリーミング配信への対応を視野に

スマホゲーム事業の状況はいかがですか?

18年について言えば、お客様に今までのゲームとは「何か違う」体験を提供できなかったことが問題でした。他の作品とは違う“Something Else”がないと、手に取ってもらえない。それは、スマホだけでなく、家庭用ゲームでも同じことです。

 お客様にはたくさんの選択肢があり、その中から選んでもらわなければなりません。最初に手に取ってもらえる魅力を備え、その後も継続的に遊んでもらえるような準備を整えておかないといけない。18年にリリースしたスマホタイトルは、それが十分に準備できていなかったのではないかと考えています。

 ゲーム作りでは“Something Else”を突き詰めることにこだわり、二番煎じ(フォロワー)であってはいけないと考えています。また、スマホタイトルは日本国内だけで採算が成立すればいいという発想ではもうダメですね。グローバル市場を対象にしたタイトルに開発リソースを投入して、圧倒的な内容で勝負しなければ、スマホ事業は厳しいと思います。

コンソールタイトルについて、19年はどのようなことにトライしますか。

計画している大型タイトルを計画通りにリリースすることも大事ですが、新しいプラットフォームへの対応も必要になるのではないでしょうか。

 PC向けのゲーム配信プラットフォームとしては「Steam」のほかに、「Epic Games Store」が登場しています。加えて、ゲームストリーミングサービスとして、米グーグルが「Project Stream」(現地時間19年3月19日に、Game Developers Conference 2019で「Stadia」として正式発表)を、米マイクロソフトが「Project xCloud」を発表しました。このように米国の大手IT企業が立て続けにゲームストリーミングサービスに参入するのですから、これらへの対応は今後重要になってくるでしょう。我々としては、ゲームを提供する経路が増えることは歓迎です。

現状でも家庭用ゲーム機やPC、モバイルなど複数のゲームプラットフォームがありますが、ストリーミングサービスにまで対応するとなるとゲームの開発や運営など自社の体制を大きく変化させなければなりませんね。

すぐに劇的に変わるという話ではないでしょう。ストリーミングサービスといっても、クラウドネーティブのゲームを提供するサービスはまだ存在していません。この先まだまだ変化すると思います。

 一方で、ゲームのようなインタラクティブなコンテンツでは、演算処理はクライアント側ですべきだという考え方もあります。ただ、クラウドかクライアントかの二者択一ではないでしょうね。どのサービスをどのように使うのかを見極めないといけません。

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