スタートアップのハードウエアばかりを集めた店舗で、異色のファッションショーが開催された。米リーバイスが米グーグルと開発したIoT Gジャンを着たモデルが店内を歩き回った。グーグルはアーティストによる新商品の開発を支援しており、ファッションとテクノロジーの融合が新たなトレンドを生み出しそうだ。

サンフランシスコのb8taで開催されたIoTのファッションショー
サンフランシスコのb8taで開催されたIoTのファッションショー

 2019年4月末、米サンフランシスコ市内の「b8ta」に、米リーバイ・ストラウスのIoT Gジャンである「Levi's Commuter X Jacquard By Google」を着たファッションモデルたちが現れた。b8taはクラウドファンディング中の製品などを店頭に並べ、ベータ版なども試せるユニークな業態で、スタートアップが新しいハードウエアを披露する場として定着した感がある。新素材のTシャツなどを展示している店舗もあるが、ファッションショーは珍しい。

 b8taサンフランシスコ店の担当者は「ファッションとテクノロジーの融合を試してみたかった。特にサンフランシスコは自転車で通勤するビジネスパーソンが多いので、この地を選んだ」と話す。

Gジャンの袖を触ることで、スマホを操作できる
Gジャンの袖を触ることで、スマホを操作できる

 IoT Gジャンは左手の袖の部分に、特殊な電導性のある繊維が入っている。その部分をマウスパッドのように使うことができる。指でなでたり、タップしたりしてジェスチャーすることで、スマートフォンのアプリを操作できる。例えば、音楽を再生したり、止めたりといった操作が可能だ。自転車や交通機関に乗っているような場合に便利だろう。個人の好みに応じた操作をアプリを利用して設定できる。 

 グーグルマップとも連携する。例えば、ナビゲーション中に自転車に乗りながら袖をタップすると、次にどこの角で曲がるのかを教えてもらえる。こうした特定のシチュエーションでの操作に絞ることで、汎用的な音声AI(人工知能)アシスタントより便利な場面もある。

 これらの操作は袖の部分に装着したIoTモジュールを利用し、ワイヤレスでスマホに伝える。電話が着信したり、ライドシェアのクルマが到着したりした際に、スマホ側からモジュールを振動させて伝えるといったことも可能だ。さまざまなアクションごとにモジュールのライトが発光する条件を決めることもできる。モジュールは脱着でき、外せばGジャン本体を洗濯できる。

袖の部分にIoTモジュールが入っている
袖の部分にIoTモジュールが入っている