トイレが清潔になり、スマートフォンの普及で居心地のいい空間に変わっていることが、個室トイレの効率利用を妨げている。そうした問題を解決するのかもしれないのがIoT化した錠前だ。

トイレの居心地が良くなったことが新たな問題を生んでいる (c)Shutterstock

 錠前製造のシブタニ(大阪市中央区)と電子部品のロームが開発した「スイッチストライクエアー」はとてもクールなIoTデバイスだ(i)。トイレの個室にあるスライド式の錠前に通信機能を付け、トイレの開閉データを収集する。

 いかにもありそうな機器であるが、クールなのはこれを無電池・無配線で実現していることだ。施錠するときに発生する圧力で発電し、トイレの出口にある受信機にデータを送信。受信機からはクラウドへとデータが送信され、利用状況の捕捉ができる。いくら良いセンサーであっても施工時の配線や電池の交換など、通常存在しない管理が発生すると導入の障壁が高くなるが、それが無い。

 このようなセンサーに興味を持ちそうなのがオーストリアのハグレイトナーという会社だ。ハグレイトナーは、ペーパータオルやジェットタオル、せっけん水入れなどのトイレ用品を製造・販売する。近年では「トイレ・ビッグデータ」の活用を進めており、用品の販売にとどまらぬ「清潔プロバイダー」を目指している(ii)

 具体的には、オフィスビル・商業施設のトイレにおいて、センサー付きのタオルディスペンサーを設置。それぞれのトイレがどの程度利用されているのか、消耗品の残量はどの程度あるのか分析し、清掃や消耗品補充のタイミングを最適化する。また、施設管理者に対して利用状況に基づいた有料トイレの提案を行うなど、トイレ管理に関する新たな原資獲得の支援も行っている。

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