FDAの認可が下りている米AIスタートアップ企業の医療機器

 中国AIスタートアップの典型的な1社を紹介した。今回の特集では、中国と米国のAI開発とビジネス活用がどこまで進んでいるか、その実態に迫ることが狙いだ。米国は中国よりも進んでおり、ディープラーニングの医療応用が早くも実用期を迎えている。18年に入って規制当局である米FDA(食品医薬品局)が、ディープラーニングに基づく各種の医療画像ソフトウエアに、次々と製品化の認可を与えている。中でも代表的な例が、18年2月にFDAの認証を受けた、米Viz・AIのソフトウエア「Contact」だ。狙いは、脳梗塞を発症した患者に一刻も早く治療を施すことだ(『ディープラーニング活用の教科書』より引用)。

 日本でも、東京大学発医療AIスタートアップ企業であるエルピクセル(東京・千代田)がAI活用の医療画像診断支援システムを開発しており、富士フイルムなどの大手PACS(Picture Archiving and Communication Systems=医療用画像管理システム)に組み込む形で実用化しようとしている。エルピクセルのAI活用の医療画像診断支援技術「EIRL basic」は第三者認証済み。脳動脈瘤対応のシステムについては、今年度内にPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に申請見込みとなっている。FDAについては、申請に向けてFDAと相談中だ。なおエルピクセルは昨年10月29日、オリンパス、富士フイルム、CYBERDYNEなどを引受先とする第三者割当増資によって、総額約30億円の資金調達を実施した。

 以上見てきたように、医療領域におけるAI活用については、米AIスタートアップ企業が先行しており、中国や日本の企業がその後を追いかけているという状況だ。次回は、AI活用のドローンやロボットを手掛ける中国のスタートアップ企業の動向を紹介する予定だ。