日本のキャンプ人口は全人口の6%ほど。キャンプ用品メーカー、スノーピークの成長は、残りの94%の取り込めるかが鍵になる。そのため、オフィス家具メーカや住宅メーカー、自治体との協業を展開する。「人間性の回復」をテーマに、さらに多様な企業と手を組む考えだ。

山井太氏 スノーピーク社長 やまい・とおる<br>1959年新潟県三条市生まれ。明治大学を卒業後、外資系商社勤務を経て86年、父が創業したヤマコウに入社。アウトドア用品の開発に着手し、オートキャンプのブランドを確立する。96年の社長就任と同時に社名をスノーピークに変更。2014年12月東証マザーズに上場、15年12月東証1部に市場変更 (写真/岩船雄一)
山井太氏 スノーピーク社長 やまい・とおる
1959年新潟県三条市生まれ。明治大学を卒業後、外資系商社勤務を経て86年、父が創業したヤマコウに入社。アウトドア用品の開発に着手し、オートキャンプのブランドを確立する。96年の社長就任と同時に社名をスノーピークに変更。2014年12月東証マザーズに上場、15年12月東証1部に市場変更 (写真/岩船雄一)

日経デザイン:最近、スノーピークが企業や自治体と共同事業を展開するケースが目立ちます。消費者向けのキャンプ用品会社がさまざまな場所で求められる状況をどのように考えていますか。

山井 太氏(以下、山井) 2010年に、今の場所に本社を移転する前後の時期でしたが、今後中長期的にスノーピークはどうやって成長していくかを社内で議論しました。売上高が30億円前後ぐらいになっていて、株式上場するかどうかも議題になっていました。そういう意味で改めて、我々のビジネスを見直すタイミングでした。我々が展開している事業の社会的意義を考えたときに、「人間性の回復」という言葉に突き当たりました。当時は、売り上げの中で、キャンプ用品販売の比率が約95%を占めていました。

 キャンプは、先進国特有のレジャーです。先進国は、文明が過度に発展し人間性を阻害している面があります。そこでキャンプに行くと、家族の絆が深まったり、個人の人間性が回復されたりします。現代の文明社会に潜む負の部分を、キャンプにはリファインする力があります。それを人間性の回復という言葉で、我々の事業のコアミッションと定義しました。

事業の根本には「人間性の回復」

 一方で、さまざまなデータを調べると、キャンプ人口の割合は全人口の6%ほどだと分かりました。驚くほど、日本人はキャンプをしないのです。我々は1998年からユーザーを招くキャンプイベントを定期的に開催している他、本社に併設したキャンプ場にも週末になると多くのキャンパーがやってきます。

第4回
寂れたキャンプ場が売り上げ倍増 スノーピーク独自の再生術とは