PayPay(東京・千代田)の「100億円あげちゃう」キャンペーン終了翌日、LINE Pay(東京・新宿)はPayPayと同じく購入金額の20%をLINE Payのチャージ残高として還元する「Payトク」キャンペーンを開始した。ポイント還元頼みが続くのか──QRコード決済サービス主要5社の戦略をまとめた。

PayPay「100億円あげちゃう」キャンペーンは10日で終了した
PayPay「100億円あげちゃう」キャンペーンは10日で終了した

 LINE Payが2018年12月14日に始めた「Payトク」キャンペーンは、還元される残高が1人最大5000円までと、PayPayの毎月5万円までという還元上限額に比べると“大盤振る舞い感”に欠け、冷蔵庫やエアコンといった高額商品の購入には必ずしも活用できる内容ではない。しかし、わずか10日で突然終了したPayPayのキャンペーンに対し、18年12月31日まで確実にキャンぺーンを継続してユーザーに安心感をもたらし、同時に認知度アップを図ろうというのだ。

 紙などにプリントしたQRコードを店頭に置き、ユーザーがスマホアプリで読み込む方式ならば、小売店側の初期導入費用はないに等しい。また手数料についても、LINE PayやPayPayなどが条件限定、期間限定ながら0%を打ち出した。これにより、小売店側がQRコード決済の導入をためらう理由はほぼ消えた。

 このため、キャッシュレスバトル勝利のカギは、サービス提供事業者が、現金やクレジットカード、電子マネーでの支払いに代えて、ユーザーにQRコード決済を使わせることができるかどうかにかかってくる。 

 その意味で、PayPayやLINE Payなどが実施した「購入金額の○%を還元するキャンペーン」は効果的だ。還元分が得になると考えたユーザーが率先して利用するのに加え、還元分は残高として決済アプリの中に残り、再び商品やサービスの購入に使われるからだ。

 では主要なサービス提供事業者は、ユーザーにQRコード決済を使わせるため、どのような手立てを講じているのだろうか──。

年1700億ポイントを投じるドコモ

 「d払い」を提供するNTTドコモは、やはりキャンペーンを重視する。同社の場合、PayPayのような大型キャンペーンではなく、店舗や期間を限定した多数のキャンペーンを展開し続けているところに特徴がある。例えばPayPayがキャンペーンを開始した12月4日から10日まで、ファミリーマート店頭でd払いを利用して決済すると、通常200円の利用で1ポイント付くdポイントが、20倍の20ポイント付くキャンペーンを展開していた。

 この小刻みなキャンペーン展開を含め、NTTドコモがユーザー還元策として年間に注ぎ込むポイントは約1700億ポイントに達する。NTTドコモと回線契約を結んでいるユーザーは自動的に一定のdポイントを付与され、dポイントクラブ会員になっている。dポイント対応の小売店などを利用してもdポイントはたまる。こうしてたまったdポイントを、d払いの支払いに充てているユーザーは少なくない。18年11月末時点で、d払いの決済額の実に15%がdポイントを利用して支払われているのだ。

潜在的な「d払い」ユーザーの開拓に成功
潜在的な「d払い」ユーザーの開拓に成功

 18年4月にサービス開始と後発組のd払いだが、順調に普及している。アプリのダウンロード数は、1週間で約190万のPayPayには及ばないが、11月末時点で160万ダウンロードに達したほど。NTTドコモのスマートライフビジネス本部プラットフォームビジネス推進部の伊藤哲哉ビジネス推進担当部長は、「ポイントを呼び水に、電話料金合算払いを利用し、dポイントユーザーでもある約1500万人の潜在的なユーザーにアプローチできた」と胸を張る。

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 楽天ペイやPayPayなどが特に普及に力を入れる、ユーザーのアプリでQRコードを読み取る形式にも、「19年の早い時期に対応する」(伊藤氏)。加盟小売店がd払いユーザーに情報を発信できるマーケティングツールも、「できるだけ早く開発し、提供する予定」(伊藤氏)だ。これらの機能が出そろうと予測される消費税増税のタイミング(19年10月)で、再度、キャンペーンを武器に勝負をかける考えだ。