購入金額の20%を全員に還元するという、前代未聞のキャンペーンが明日、始まる。「2025年までに決済率40%」と政府も旗を振るキャッシュレス化で生まれる新市場の獲得へ、大手IT企業が一斉に参戦。100億円を原資に力業を繰り出したのは、ソフトバンクとヤフーの共同出資会社PayPay(東京・千代田)だ。

11月22日に開催されたPayPayの会見

 「100億円の原資を用意し、購入いただいた金額の20%を還元するキャンペーンを12月4日から始めます」

 PayPay代表取締役社長執行役員CEOの中山一郎氏は、18年11月22日の記者会見で高らかにこう宣言した。ユーザーがPayPay加盟の小売店でPayPayを使って決済すれば、原則、店が認めるものなら何を買っても、購入金額の20%相当がPayPayの残高として付与される。還元される額の上限は毎月5万円なので、月25万円までの買い物に適用される計算だ。

 さらに、40回に1回の確率で、購入金額の全額がPayPayの残高となって戻る仕組みも導入した。しかも、Yahoo!プレミアム会員なら20回に1回、ソフトバンクまたはワイモバイルの契約者なら10回に1回と確率は跳ね上がる。こちらも還元される額の上限は1回当たり10万円だが、運が良ければ10万円の買い物をして、まるまる還元される可能性もある。

 また12月3日までは、銀行口座かYahoo!JAPANカードから5000円以上をチャージしてPayPayの残高を増やせば、PayPay残高として使える1000円相当の「PayPayライト」が1回だけ加算されるキャンペーンも実施している。20%還元キャンペーンが始まる12月4日以前でも、ユーザーはPayPayを導入すると得することができるわけだ。「まずは多くのユーザーにPayPayを使ってもらうことを目指す」と中山氏は強調する。

 日経クロストレンドは以前の特集「QRコード決済 大乱戦の行方」で「楽天とLINEが有力 QR決済、決戦のカギ握る2社の強み」と報じたが、PayPayは一気の逆転を狙う。

数千人規模の営業部隊で加盟店開拓

 数千人規模の営業部隊を全国20拠点に配置して、かつてソフトバンクがADSLサービス参入時に一気にシェアを獲得したノウハウなどを駆使して、加盟するリアル小売店の開拓に力を注ぐPayPayはもちろん、楽天ペイやLINE Payなど他のサービス提供事業者も、加盟店の開拓を積極的に進めている。

小売店の店頭に置くPayPayのQRコード