調査会社のインテージ(東京・千代田)がドコモ・インサイトマーケティング(東京・港)と共同で、テレビの個人視聴の分析サービスの開発を進めていることが明らかになった。2019年度中の提供開始を目指す。特集3回目ではテレビ視聴分析サービスに力を入れるインテージの戦略を解き明かす。

 開発中のサービスはインテージ子会社のテレビデータ事業会社IXT(イクスト、東京・千代田)の持つ視聴ログデータと、NTTドコモの会員組織「dポイントクラブ」の属性情報を個人が特定できない形でひも付けることで実現する。開発にはインテージが17年11月に提供を始めたスマートテレビの視聴ログを活用した個人視聴分析サービス「Media Gauge TV」のデータを活用する。

 Media Gauge TVは、インテージが契約する複数のメーカーのスマートテレビの視聴ログを活用して開発した。ネットに結線されたスマートテレビと録画機器から取得した視聴ログを、マーケティングに活用しやすく加工。都道府県、市区町村ごと、あるいは15秒単位でのテレビ番組やテレビCMとの接触率などを分析できる。「大規模なデータを取得できたことで、全国をカバーできるようになった」とIXTの取締役で、インテージLife Log Data事業本部の李相吉クロスメディア情報部長は説明する。現在はテレビ90万台、録画機器65万台の視聴ログを活用している。

インテージは複数のメーカーから取得した視聴ログをマーケティングに使いやすいように加工して「Media Gauge TV」として提供する

複数のデータをひも付け実現

 インテージは、Media Gauge TVの視聴データと、dポイントクラブの会員属性をCookieや複数のデバイス情報を用いて、個人視聴データを推計する技術をドコモ・インサイトマーケティングと共同で開発中だ。「デジタルの世界ではさまざまなセグメントを切って広告を出稿できる。テレビはそういうメディアになっておらず、そもそも誰に到達したかも分からない」(李氏)ことから、よりマーケティングに活用できるテレビの視聴データが必要と考えたことが開発背景にある。

インテージがドコモ・インサイトマーケティングと共同開発する、個人視聴分析サービスの仕組み図

 インテージの開発する新たな技術が提供されれば、F1層(20歳から34歳までの女性)を多く視聴者に含む番組を中心に出稿するようにプランニングする、あるいはテレビCMの放送後にどの層を多く含んでいたか確認し、ターゲット層に到達したかどうかの効果分析もより精緻にできるようになる。現時点ではIXT、インテージ、ドコモ・インサイトマーケティングの3社の技術研究段階のため、収益のスキームなどは整っていないが、19年度中のサービス開始を目指して急ピッチで開発を進める。

第2回
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第4回
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