肌の水分量を簡単に測定できるセンサーやアプリを配布して、顧客とのつながりを深め、スキンケア動向を探る。そんな取り組みを進めているのは花王グループのカネボウ化粧品だ。配布したセンサーの数は約10万。アプリ利用者の来店数が約1.5倍に増えるなど、成果も見え始めている。

スマホに接続して肌の水分量を測定できる「肌水分センサー」を一部モニターに配布している

 カネボウ化粧品は2017年から百貨店などの化粧品カウンターで、自宅で肌の水分量を測れる「肌水分センサー」を無料で配布している。センサーをスマホに接続すると、アプリ「smile connect(スマイルコネクト)」で肌の水分量を記録できる。アプリの利用者は約37万人、センサーの配布台数は約10万に達する。

 「調子が良くないときに使う体温計みたいな存在になっている」とカネボウ化粧品マーケティング戦略企画グループマネジャーの中根志功氏は話す。毎日使う人は数千人の規模で存在するというが、多くの利用者はセンサーを入手してしばらく使っていると「自分の肌に詳しくなり、数値はこの程度と予測ができるようになる」(中根氏)。

 それでも、お酒を飲み過ぎたとき、寝不足のとき、ストレスがたまっているときは肌の状態が気になる。そうしたときにセンサーで測定をすることがきっかけで「お店行こうかな、スキンケア変えようかなという気づきにつながる」(中根氏)と、深い顧客接点を構築するためのツールとなっている。

アプリ利用で来店リピート率が向上

 実際に集客の成果は出ている。18年1~8月で約50万人を対象に、来店のリピート率を集計したところ、アプリを利用していない人は約3回だったのに対し、アプリを利用している人は約5回に高まった。金額は非公表だが、売り上げの向上にも貢献しているという。

アプリ「smile connect」ではスキンケア前と後の水分量をグラフで表示できる。メモや測定時の状態を示すためのアイコンをつける機能も
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