従業員20人ほどのベンチャー企業ながら、ネスレ日本、資生堂、マツモトキヨシといった大企業に欠かせない連携先となっているのがウィット(東京・新宿)だ。10万種類にも及ぶ料理データと250万ユーザーが記録する日々の食事データが、多彩な健康関連サービスを生み出すための土壌になっている。

ダイエット支援アプリ「あすけん」の画面例。14~16種類の栄養素を棒グラフで表示する。栄養士からのアドバイスとして毎回の食事内容を評価してくれる
ダイエット支援アプリ「あすけん」の画面例。14~16種類の栄養素を棒グラフで表示する。栄養士からのアドバイスとして毎回の食事内容を評価してくれる

 「こんなに楽にダイエットできるなんて」。ダイエット支援アプリ「あすけん」の評価には喜びの声が並ぶ。社員食堂や学食を運営する親会社を持つウィットはアプリ内で栄養指導を実現した。Web版も含め250万人を集めた実績とノウハウで、アプリの医療機器認定も目指している。

 使い始めてから90日後の体重は平均で約2.5kg減。そのうち身長と体重の値から肥満度を示すBMI(体格指数)が25以上の人なら約4kg減。2017年にあすけんを使い始めた約2万人のユーザーの体重を集計すると、こんな結果だったという。

社員食堂の栄養指導をアプリ化

 なぜこれだけの成果が出せるのか。ウィットのあすけん事業部マーケティング担当執行役員の天辰次郎氏は「食事内容による栄養素の変化がグラフで確認でき、ゲームのように楽しめる」ことが大きいと語る。たんぱく質や鉄、各種ビタミンなど14~16種類の栄養素の摂取量を棒グラフで表示し、何が不足しているか一目で分かる。

 「野菜が多めの食事ができましたね」「次の食事は大豆製品を使った料理を選んでみませんか」。月額300円(税込み)の有料会員になると毎回の食事内容に沿ったコメントが表れる。いわば、いつでも手元で相談できる栄養士のパーソナライズ化だ。親会社のグリーンハウス(東京・新宿)は官公庁、企業、学校、病院など2500を超える食堂や店舗を運営している。栄養指導のため1500人の栄養士を抱える。そのノウハウを生かし自動提案を可能にした。「適切な情報提供が信頼につながり、続けようというモチベーションになる」(天辰氏)という考え方を貫いている。

 健康推進や医療費の削減を目指すために、法人契約を結ぶ企業もある。導入企業は50社超。1000人以上の契約もあるという。