血圧計や体組成計のオムロン ヘルスケアが、アプリを軸とした健康データ事業を拡大している。フクダ電子の医療データ管理システムとの連携を開始したほか、米スタートアップと提携で腕時計型の血圧計の開発も進める。個人が取得する日々のデータを活かし、脳や心血管系の疾病を防ぐ社会づくりを目指す。

オムロン ヘルスケアの体組成計や血圧計の計測データをスマホで管理できるアプリ「OMRON connect(オムロン コネクト)」。スマホに慣れていない高齢者でも扱いやすくするため、アイコンを大きくした
オムロン ヘルスケアの体組成計や血圧計の計測データをスマホで管理できるアプリ「OMRON connect(オムロン コネクト)」。スマホに慣れていない高齢者でも扱いやすくするため、アイコンを大きくした

 オムロンは2020年に向けた中期経営計画でヘルスケアを成長分野と位置付け、循環器疾患など大きな社会的課題に取り組むための事業を拡張する。その一環として、16年度に世界シェア50%(自社調べ)を誇る家庭血圧計は、20年に55%以上を目指す方針を掲げている。ハードウエアの売り上げ増を目指すとともに、ビジネスモデルを拡大するために注力しているのが血圧計や体組成計から集まる健康パーソナルデータの活用だ。

 オムロン ヘルスケアは同社の血圧計や体組成計と同期して、測定した健康データをスマホで管理できるアプリ「OMRON connect(オムロン コネクト)」を16年から提供開始している。スマホの操作に慣れてない高齢者でも扱いやすいようにボタンを大きくするなど、使いやすさを重視している。現在は118カ国で提供している。

 従来から各種の健康アプリと連携できるサービスとして展開してきたが、18年に入り、外部との連携を加速している。7月からは神奈川県の健康管理アプリ「マイME-BYO(みびょう)カルテ」とオムロン コネクトのデータ連携を開始した。アプリ間で測定データを共有できる他、活動量計のデータを使って神奈川県のウォーキングキャンペーンなどのイベントに参加できる。

 健康関連の施設に体組成計やデータ管理システムを提供するサービス「OMRON connect Pro(オムロン コネクトプロ)」も開始した。9月からは全国1400店舗を展開する女性向けフィットネスクラブ「Curves(カーブス)」で導入している。

 オムロン ヘルスケアでデータヘルスケア事業本部長を務める寺尾忠久氏は「1社では、できることは限られてしまうし、ゼロイベントの世界を実現するのは難しい」と話す。ゼロイベントとは、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を突然引き起こす事態をなくすという意味。そうしたリスクの少ない社会を作り上げるためには、健康データをクラウドで多彩なサービスと共有していくことが必要という。