導入コストが低いQRコード決済

 今後の普及について、各社はどう見ているか。「実現したいのはキャッシュレス、ウオレット(財布)レスの世界。LINE Payでは物理的なカードを使うLINE Pay、QUICPayと提携した非接触決済も提供していて、QRも1つの方式。その中でQRには注力しているが、自分にあった決済手段を見つけてもらえるといい」(LINE Payの長福氏)。Origamiの伏見氏は、「最初はBluetoothを使った決済の仕組みを導入したが、QRコードははるかに加盟店の導入コストが低廉で、一気に普及した」と、加盟店のコスト負担の低さによる広がりを示唆する。PayPayの中山氏は、「まだ将来のことを語れる段階ではなく、目の前のユーザーやストアのみなさんに使ってもらえることに注力していきたい」とサービスの広がりに期待を寄せる。

PayPay代表取締役社長執行役員 CEO 中山一郎氏
PayPay代表取締役社長執行役員 CEO 中山一郎氏

 一方で、今後もQRコード決済サービスのユーザー拡大や、事業者の参入が続くかというと疑問もあるようだ。LINE Payの長福氏は、「中国でも既にアリペイとウィーチャットペイの2サービスに絞られてきている。日本では現状はまだ多くのサービスがあるが、最終的には数社になるのではないか。そうした中で、コミュニケーションサービスと連携してお金が動くLINE Payは使ってもらいやすいと考えている」と語る。

 Origamiの伏見氏は「支払いの個別の手法の提供から、クレジットカードのような支払いのプラットフォームの提供へと変化を目指している。20年にはスマホ決済、QRコード決済かもしれないが、25年はQRコード決済が主流かどうか分からないし、そもそも決済手段がスマホかすら分からない。顔認証で決済するような世界であっても、対応していきたい」と意気込む。PayPayの中山氏も、「今はQRコードが便利だとして提供しているが、今後は時代の要望に合わせて便利な方法を採用していくことになるだろう」と語る。登壇した各事業者ともに、便利な決済とそこから広がる豊かな生活の提案による事業展開を思考している。その中で、QRコードも現在の最適解の1つと捉えながら、今後の異なる決済手段への対応も見極めていこうとしているようだった。

(写真/新関雅士)