キャンペーンは認知度向上に重要

 QRコード決済は、国内ではまだ広く普及している段階には至っていない。これからのQRコード決済の普及にはどのような施策が必要だろうか。PayPayの中山氏は「後発のサービスなので、12月に開始するキャンペーンによる知名度向上に期待している。ユーザーや加盟店に響くように、準備を進めている段階」と説明した(編注:キャンペーンは18年12月4日に開始。大きな反響から12月13日には100億円の還元額に達し、10日目で終了した)。

 Origamiの伏見氏も、キャンペーンは認知度を高めるために重要な施策だという点で共通する。「ローソンのコーヒー無料、吉野家の牛丼半額などのキャンペーンは反響が高い。認知度をまずは高めていくためにOrigamiがキャンペーンを提供する視点だ」という。一方で、違う視点もある。「美容室などでは来店客のうちOrigami Payの決済シェアが40%を超えるような店舗も出てきている。顧客との接点が増えて、リピートにつながっているのだ。加盟店が原資を出してキャンペーンを打ち、顧客のリピートにつなげられるような、継続性を持ったキャンペーンを実施する動きも出始めている」。

Origami 事業開発ディレクター 伏見慎剛氏
Origami 事業開発ディレクター 伏見慎剛氏

 LINE Payの長福氏は、「一般の人はQRコード決済を使おうと考えることすら少ないだろう。でも実際に使ってみるとその利便性を実感する。利用者のリピート率は高く、特に送金のリピート率は驚異的だ。使ってみて簡単、便利を体感してもらうという視点からキャンペーンを実施してきた」とキャンペーンによる認知度向上がリピート利用につながっていることを改めて語った。

 キャンペーン以外の施策についても各社からコメントがあった。LINE Payの長福氏は、「LINE Payでは決済後にどのユーザーが決済したかが分かり、ビジネス向けLINEアカウントのLINE@のお勧め機能を使えばユーザーに再アプローチができる。決済そのものがリピート施策になる点が重要」とソーシャルメディアとの連携が強みになることをアピールする。Origamiの伏見氏は、「OrigamiにもOrigami Connectと呼ぶ機能があり、リワードを送ったり『ご無沙汰ですね』といった来店促進の連絡をしたりといったコミュニケーションが取れる。若い人を中心に飲食店や美容室の予約でも電話するのが面倒な人が増えており、決済から次回の予約につなげるようなネット化の推進が不便の解消につながりそうだ」と指摘する。PayPayの中山氏は、「親会社のYahoo! JAPANの顧客基盤を使って利用者を増やすことを考えている」と語る。