さまざまな個人データを独自手法で分析して得た「信用スコア」に基づくビジネスが、2018年10月から本格的に動き始めた。参入したみずほ銀行とソフトバンク系、ヤフー、NTTドコモは、情報銀行の認定なしに事業や実験を進める構え。信用スコア事業と情報銀行との接点や違いを各社の考えから明らかにする。

J.ScoreのWebサイト

 個人の信用スコアといえば、中国のアント フィナンシャル サービスグループが提供するスマートフォン決済アプリ「支付宝(アリペイ)」に搭載されている「芝麻(ジーマ)信用」が有名だ。

 アリペイを使った決済履歴やアリペイ上で提供されるサービスの利用履歴などから、ユーザーごとの独自の信用スコアを算出し、当該の個人と提携先の企業にスコアを提供している。中国では今や、芝麻信用のスコアが高くなければ、商品やサービスを購入する際の割引や資金調達時の金利引き下げといったさまざまな優遇を受けられないため、多くのユーザーが適正な取引を継続し、芝麻信用のスコアを引き上げにかかっているほどだ。

10月からAIスコア・リワードの提供を開始

 こうした個人の信用スコアを使ったビジネスの日本での草分けと言えるのが、みずほ銀行とソフトバンクの共同出資会社のJ.Score(東京・港)である。2016年に会社を設立して、17年9月に自社で個人向け融資サービス「AI(人工知能)スコア・レンディング」を開始。18年10月には、個人データの活用に同意したユーザーが、J.Scoreからスコアの提供を受けた企業から、ランクに応じたさまざまな特典(リワード)を得られる「AIスコア・リワード」の提供を始めた。

J.ScoreのAIスコア活用の仕組み
第5回
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第7回
独自路線で情報銀行を標榜 NIPPON Platformの構想と課題