※日経トレンディ 2018年12月号の記事を再構成

“人工皮膚シート”でしみを隠す究極のパーソナライズド美容、1分で激うまチャーハンが作れるカップ冷凍メシ、いよいよ上陸するスタバの焙煎(ばいせん)旗艦店、シェアできるバッテリーと、日経トレンディが選んだ「2019年ヒット予測」11~14位は暮らしを便利で豊かにするブランドが並んだ。

【11位】オーダーしみかくシート

スノービューティーミラー&メイクアップシート(パナソニック)
スノービューティーミラー&メイクアップシート(パナソニック)
極薄のシートで笑っても自然。境目はファンデーションでぼかせばより分からなくなる

最先端ミラーと“人工皮膚”印刷で特殊メーク級のシミ隠し

 美容業界で今、革命が起きようとしている。自分の肌質や悩みにぴったり合ったものを使う「パーソナライズ」の概念が、拡大の兆しを見せているのだ。

 2016年のCEATECで披露され、業界の注目を集めたパナソニックの「スノービューティーミラー&メイクアップシート」。今年は技術的には完成し、化粧品メーカーと商談中で、実用化のめどがつき始めた。その目玉は、個人に最適化され、頰のシミをほぼ完全に隠すことができる「メイクアップシート」だ。内蔵したカメラで顔データを分析するミラーに顔を映すと、どこにシミがあるのかを詳細に解析。その結果、肌質や色に合わせたシミを隠す人工皮膚のようなシートが印刷される。厚さは僅か数百ナノメートルと極薄で、貼っていることに気づかないほどだ。貼るときも剝がすときも水でぬらすだけと簡単。化粧をするという概念を根本から覆す可能性がある。

 同商品の開発に活用された技術は、すべてパナソニック独自のものだ。部署の垣根を取り払った一大プロジェクトで、ミラーにはセキュリティー関連の顔認証技術やカメラの画像処理技術、シートにはインクジェット印刷技術などが応用されている。リーダーの川口さち子氏は、「東京五輪の頃には、このシートを貼っていることが当たり前の社会になってほしい」と語り、将来的には全顔メーク用のシートも視野に入れているという。

 化粧品メーカーも、パーソナライズに目を向ける。資生堂は、その日の肌に最適な基礎化粧品を調合する「Optune」を開発した。専用スマホアプリで肌を撮影すると、マシンがデータ解析。気候条件なども鑑みて、5本のカートリッジから、その日の肌の状態に一番合った美容液と乳液を自動で調合する。18年3月からβ版を販売したが、希望者が殺到。同7月には追加販売も行い、本格展開する日も近そうだ。化粧品クチコミサイト「アットコスメ」を運営するアイスタイルは、「Optuneは業界の次のトレンドを象徴する」と言う。今後追随の動きが加速していくことは間違いない。

顔データを解析し、シミを隠すシートを印刷

シートは付属のプリンターで印刷。水で貼り付けられ、剝がすときもぬらせばOK
シートは付属のプリンターで印刷。水で貼り付けられ、剝がすときもぬらせばOK
ミラー上で、AR(拡張現実)でのバーチャルメークを試せる他、自分でメークを編集することも可能
ミラー上で、AR(拡張現実)でのバーチャルメークを試せる他、自分でメークを編集することも可能

マシンがその日の肌状態に合う美容液を自動でブレンド

専用スマホアプリで肌を撮影し、マシンがデータ解析。その日の肌の調子に合わせて自動調合された美容液と乳液が、手をかざすと出てくる
専用スマホアプリで肌を撮影し、マシンがデータ解析。その日の肌の調子に合わせて自動調合された美容液と乳液が、手をかざすと出てくる

悩みに合わせたパーソナライズドシャンプー
 海外でブームのパーソナライズドシャンプーを、「MEDULLA」(Sparty)が18年5月に日本で初めて販売。髪の悩みなど7つの簡単な質問に答えるだけで、100以上の処方から自分に最適な商品が届く。フィードバックを重ねるごとに精度が上がっていく仕組みだ。