すべての商品には「見える価値」と「見えない価値」の2つの側面がある。生活者主導社会となった今、見えない価値で生活者の行動を促すようにインスパイアするコミュニケーションが重要になる。博報堂ケトル共同CEO・木村健太郎氏にその方法論を聞いた。

木村健太郎(きむら・けんたろう)氏
博報堂ケトル共同CEO・博報堂クリエイティブ怪獣
クリエイティブディレクター。博報堂入社後、戦略、表現、デジタル、PRをシームレスに開発するスタイルを確立し、2006年、「手口ニュートラル」をコンセプトに博報堂ケトルを設立。「どんな難しい課題にも必ず解決策がある」がモットー。17年、博報堂のアジア地域の共同チーフクリエイティブオフィサーを兼任し、年間100日以上海外を飛び回っている。共著に『ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる』

「見えない価値」が生活者をインスパイアする

──モノの価値を伝え、買ってもらうことが難しい時代になっています。

木村健太郎氏(以下、木村) すべての商品には「見える価値」と「見えない価値」の2つの側面があります。例えば、1本3000円のジーンズもあれば3万円のジーンズもある。どちらもお客さんは納得してお金を払って買っていく。その2万7000円の価格の差はどこから生まれるのか。おそらく両者の価格のうちの数千円は見える価値です。見える価値というのは、ファンクション(機能)、ベネフィット(便益)、プライス(価格)の3つです。これは見える価値であり比較的容易にコントロールできる部分です。