人工知能(AI)の活用で今、次々とスタートアップが起業し、資金調達に成功するなど米シアトルが活気を帯びている。そのエコシステムの中核にあるのがシアトルに本社を置く、米マイクロソフトと米アマゾン・ドット・コムである。注目のスタートアップはエコシステムに独自のノウハウを掛け合わせて成長し、日本にも進出し始めている。

シアトルAI企業の米デファインドクラウドのダニエル・ブラガCEO(左)。日本に進出しており、日本人のインターンも受け入れている。矢口千聖氏はワシントン大学のコースを修了した後、同社のプロジェクト・コーディネーターとして1年間働いている

 シアトル市とその周辺も含めたシアトル都市圏では、AIを活用した新しいビジネスを立ち上げるスタートアップが続々と誕生している。ここまでの連載で紹介してきたように、それを支えるのが、米マイクロソフト(MS)、米アマゾン・ドット・コムを中心とした地元のテック大手、ワシントン大学を中心としたアカデミアである。人材や資金などの支援が循環するエコシステムが確立している。

 なかでもMSが大きな役割を担っている。シアトルでの現地取材でも、半数以上がMSの出身者である「Ex Microsoft」だった。アマゾン出身のスタートアップもあるが、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)出身のクラウドサービス関連の企業が多いようだ。AWSはMSに比べると歴史が浅いのもあるが、クラウド側にAI機能を置くのは一般的になっている。今後アマゾン発のAIスタートアップも増えていくだろう。

シアトルでは、マイクロソフトとアマゾンからスピンアウトする起業が多い