1TBのタブレット端末という最強ローカル環境

 UI以外では、手にしたときの“持ちごたえ”も気に入っています。手にずっしりくる感覚(631g)は、重量は違っても僕の好きな「iPhone 4S」に似ている気がします。それでいて、MacBook Pro(13インチで1.37kg、15インチで1.83kg)に比べたら半分以下と軽い。

 持ち運びやすいのに機能・性能は充実していて、僕が使う分にはMacBook Proを代替できる。カフェなどで使っていてもMacBook Proほど仰々しくないのもありがたいですね。欲をいえば、背面に型押し風の加工でロゴマークが入っていてもよかったかもしれません。外観は、Smart Keyboard Folioが本体背面を全面覆う設計になっていて、背面がフラットになるのも好印象です。

 スピーカーの音質も上々だと思います。僕がこれまで使っていたiPad Airからして、ちゃちなBluetoothスピーカーを使うぐらいなら、iPad本体から鳴らしたほうがいいぐらいの水準にはありましたが、新iPad Proはなおいい。きょう体の側面に左右合計4個のスピーカーがついています。これは第2世代からですが、出力やアルゴリズムなどは、前機種より改善されているのではないでしょうか。

 メモリー容量が1TBの機種を選べるようになったこともよかったです。前回の記事で取り上げましたが、クラウドからローカルへの揺り戻しは必ず来るはずです。昨年、ソフトバンクの携帯電話サービスに大規模な通信障害が起きて、ローカルにデータを持つことの重要性を痛感した人も少なくないのではないでしょうか。障害発生時でなくとも、一つ一つのアプリやファイルが大容量化する傾向にある中、データ通信量を多く消費したくないですよね。

 キーボードとタッチパネルのシームレスな操作や大容量の内蔵メモリーによって、プレゼンの資料を作ったりアイデアをまとめたりするのにも、不便を感じなくなりました。たかがデバイスの性能と思う人もいるかもしれませんが、道具の進化は思考の進化に無関係ではありません。道具は人間の思考や活動をサポートするもの。だからこそ実態にあった進化が重要なのです。

(構成/赤坂麻実)