大手IT企業からベンチャーまで、QRコード決済サービス事業者が相次いで登場している。だが、そもそもQRコード決済サービスは本当に日本で普及し、定着するのか。突破口となりそうなのは、既存の非接触式電子マネーを上回るメリットの提示と、CtoCの取引、それにQRコードの規格統一だ。実際、経済産業省の音頭でキャッシュレス推進協議会が発足し、規格統一へ向けて走り出した。普及にまい進する事業者の周辺の動きを追った。

 「タッチするだけですぐに決済できる(非接触式)電子マネーに慣れた人は、よほど大きなメリットがない限り、QRコード決済には乗り換えないのではないか」

ポイ探代表の菊地崇仁氏

 消費者の立場に立ってこう指摘するのは、ポイント制度や電子マネーに詳しいポイ探(東京・中央)の菊地崇仁代表だ。

 菊地氏によれば、かざすだけで決済できる非接触式電子マネーに比べ、QRコード決済はいちいちアプリを立ち上げないといけないため使い勝手が悪く、ユーザーは面倒で利用したがらない可能性が高いという。ましてや、決済とポイント取得で別々の画面を立ち上げたりしないといけないようなアプリは、レジ渋滞解消ではなく、かえって混雑を引き起こす可能性さえあると指摘する。

 また、端末普及のために小売店が負担する決済手数料を0%にしても、同じ小売店に非接触式電子マネーの端末があれば、ユーザーはより使い勝手の良い電子マネーを使って決済するだろうとも強調する。

 「そもそも電子マネーがよく分からなかったり、面倒だと感じていたりするユーザー層にとっては、QRコード決済はより面倒。現金を使っている層をキャッシュレスに移行させるには、いっそのこと国が現金を変えるしかないのではないか。例えば、インドのように高額紙幣を廃止して、1000円札だけにするとか。そうなると、10万円払うために最低でも紙幣を100枚持っていかなくてはいけないので、キャッシュレスに移行する人が増える」。菊地氏はこのように、日本でのQRコード決済の普及に懐疑的な姿勢を崩さない。

「個人間のやり取りにQRコード決済の可能性」