米ウォルマートは日本経済新聞による「西友を売却へ 日本での店舗運営撤退」との報道について2018年7月11日(米国時間)、「噂や推察にはコメントしない」としつつ、「我々は日本で稼いでいる」と回答した。

西友を完全子会社化してから10年。デジタルシフトを急ぐウォルマートにとって西友、そして日本市場の価値はなくなったのだろうか?(写真/Shutterstock)

 日経クロストレンドに対してウォルマートの広報担当者は、「(西友の不採算店を閉鎖するなど)店舗の床面積を減らし、ベーシックな事業モデルのスーパーマーケットビジネスに取り組んでいる。エブリデイ・ロー・プライス戦略などに注力し、これらがこの4年間は奏功している。我々は日本で稼いでいる」と説明した。

店舗数を誇る時代は、とうの昔に終焉

 一方、米国在住の流通コンサルタントでウォルマートウォッチャーでもある後藤文俊氏は、「米国では何年も前から規模の経済を追求するチェーンストア理論が陳腐化し、多くの流通企業で、実店舗が足かせになる状況が続いていた」と話す。そして、「ネット対応に適していない店舗(企業)なら売却、というのはあり得る選択だろう」と続ける。

 「ウォルマートは18年、大型店スーパーセンターと中型店ネイバーフッドマーケットの新規出店を過去20年で最低の25店に抑えている。その一方、既存店舗ではネット注文した生鮮品などを店の駐車場で受け取るカーブサイド・ピックアップ・サービス『ウォルマート・グローサリー』に注力するなど、デジタルシフトを加速しているからだ」(後藤氏)。

 「西友売却」という報道は、そうした世界的な変化の中で出てきた。

 その行方を占う上で、見逃せないポイントの1つが、18年1月にウォルマートが楽天と共同発表した戦略的提携だ。18年9月までに楽天と共同で、ネットスーパー事業を国内向けに展開。そこに西友の「SEIYUドットコム」と楽天のネットスーパー「楽天マート」とを統合する計画である。