マーケティングリサーチやパッケージデザインを手掛けるプラグの協力を得て、パーソナルトレーニングの現場を観察し、商品アイデアを考える連載。専門家の助言を受けられるアプリやトレーニングスーツの企画の細部を詰め、商品パンフレットを作成した。

●オブザベーションから商品企画までの流れ
●オブザベーションから商品企画までの流れ

 マーケティングリサーチやパッケージデザインを手掛けるプラグの協力を得て、パーソナルトレーニング(以降、パーソナルトレ)の現場を観察し、商品アイデアを考える本連載はいよいよ最終段階の商品企画に進む。

 前回は、3つの商品プロトタイプを観察対象の家族に見せ、意見を聞くデプスインタビューを実施した。そのインタビューで出た意見を反映させて、3つの商品企画をまとめ、それをポスター形式で表現した。商品企画は、専門家の助言を受けられるアプリ「筋トレだけじゃない!パーソナルトレーニング」(商品企画1)、トレーニング時に着用するウエア「鍛えている部位が分かるスーツ」(商品企画2)、トレーニング効果を高めるシップ「筋トレ効果増強シップ」(商品企画3)の3つ。

専門家チームがサポート

 商品企画1のコンセプトは、「本当になりたい自分になるためのパーソナルトレ―ニングサービス」。パーソナルトレは、一般的には、筋力を鍛えて、体力強化や減量を実現するというイメージがある。しかし、商品企画1では、それを広い意味に捉えているのが特徴。エステやファッション、婚活など多様な分野の専門家からパーソナルトレをスマホアプリ経由で受けられる。今回の観察を通して、筋トレはあくまでも手段であり、別に「異性にモテたい」「年齢を重ねても元気に活動できる体を手に入れたい」といった「なりたい自分像」があるという気づきを得た。商品企画1は、その気づきから生まれた。

商品企画1 「本当になりたい自分になるためのパーソナルトレ―ニングサービス」
エステやファッション、婚活など多様な分野の専門家から助言を受けられるスマホアプリ。効率的に「なりたい自分像」に近づけるメリットがある
エステやファッション、婚活など多様な分野の専門家から助言を受けられるスマホアプリ。効率的に「なりたい自分像」に近づけるメリットがある

 本サービスのユーザーは、まずアプリで「なりたい自分像」を設定する。これはユーザーの目標であり、例えば「1年後に恋人をつくる」といった内容を想定している。

 設定した目標に応じて、ユーザーは適性などの診断テストを受ける。またダイエットなどの体に関する目標の場合、ユーザーに健康診断結果の送付を求めることもある。ユーザーは、登録された複数の専門家の中から、自分に適した相手を選ぶ。この専門家たちが、ユーザーのサポートチームになる。

 各専門家が課題として「トレーニングメニュー」を組み、ユーザーはそれを実施していく。

 例えば、恋人をつくりたいユーザーが、専門家としてファッションコーディネーターを選択したら、「雑誌を参考に春を意識したファッションを予算5万円程度で購入してください」といった課題をユーザーに与える。ユーザーが悩んでいるようなら、「3月号のファッション雑誌を参考にしてください」などと追加のアドバイスを与える。

 ユーザーは、購入を検討している服などの画像を送付。それを見て、さらに専門家が「もっとダークな色のジャケットを合わせてはどうでしょう」などとアドバイスを送る。もし、ダイエットが必要なら、別のトレーナーを選択し、筋トレのメニューを組んでもらう。専門家とコミュニケ―ションを取りながら、理想像を実現していくので、努力するつらさや苦しさを減らせるメリットがある。

 商品企画1のプロトタイプを見せると、観察対象の林見則幸さん(45歳)は、「エステティシャンや占師、婚活アドバイザーを加えてほしい」と感想を述べた。林見さんは、パーソナルトレで体が引き締まり、女性からモテるようになったと効果を実感している。専門家の助言が有効であると身をもって理解している。

 今回の観察対象者は、いずれも通常のトレーニングジムでは飽き足らず、高い効果を求めてパーソナルトレーナーの指導を受けていた。彼らは、向上心が旺盛で、自己投資への意欲が高い点が共通している。ビジネスパーソンや主婦など、限られた時間の中で、期待通りの成果を上げたいと考える人は多い。

 パーソナルトレをはじめとした、専門家から的確なアドバイスを受けたいというニーズが高まっていると考えられる。そうしたターゲットに向けてなら有料サービスとして成立するはずだ。