斎藤工が「Z」のマスクマン「ゼックウチョウ」を演じるヒノキヤグループ「Z空調」のCMが好調だ。これまでシリーズ誕生に至る経緯、企画統括しているクリエイターを紹介した。今回は3年目に入ったシリーズ展開にスポットを当てる。

ヒノキヤグループの全館空調システム「Z空調」のCM
ヒノキヤグループの全館空調システム「Z空調」のCM

キャラクターで「不快」を「快」に変える

 2016年12月の販売開始に合わせて商品名を決め、CMを放送したいと考えていた、ヒノキヤグループ取締役でマーケティング部長の荒木伸介氏は、第1弾CMについてこう考えていた。

 「欲張ると中途半端なものになる。特に第1弾は、ヒノキヤグループと商品の名前を覚えてもらえれば、極端な話、何の商品だか分からなくてもいい、というくらいに思っていました。実際、クリエイターの方にもそう話をした記憶があります」。

 そうしてまず、電通グループのクリエーティブディレクター・安永貴氏とコミュニケーション・プランナーの吉野万里雄氏らが商品名を提案。エアコンをシェアする「シェアコン」、ジェット機の「エアフォース・ワン」をもじった名前など6案ほどを提案し、決まったのが「Z空調」だった。

 「Z空調という名前と、Zの仮面を付けた男性のビジュアルをセットでご提案いただいて、見た瞬間にビビッと来ました。ビジュアルもネーミングもインパクトがあって、何と言っても覚えやすい。見た瞬間に決まり、という感じでした」(荒木氏)。

 CM企画には3案あったが、選ばれたのはソファに座った「ゼックウチョウ」がストレートトークを繰り広げるものだ。

 「どうも、ゼックウチョウです。絶好調ではなく、Z空調。(中略)Z空調で絶好調……あれ?ダジャレは嫌いですか? あるいは、このネーミング由来のベタなキャラクターがお嫌いですか?まさかとは思いますが、そもそも興味ないですか?」

 このように自虐含みで自己紹介を展開。もう1編、「コハダのうまさで寿司屋を選ぶ私ですが、家は空調で選びます」となぜか寿司へのこだわりを絡めて話すバージョンも制作した。これらの企画について安氏は「商品訴求をストレートにすると飽きられるし、不快に思われることもある。その不快をどう『快』に変えるか。好感を持ってもらうには、どんなキャラクターにしたらいいのか、設定を詰めて考えました」(安氏)。

 CMには珍しい自虐や不条理感、黒ずくめのキャラクターなどがインパクトにつながり、放送するとすぐに反響があった。

 「総合展示場でアンケートを取ると、CM放送前は弊社の名前を知っている人が45%くらいだったんです。それが放送後1~2カ月で、60%くらいまで上がりました。Z空調という名前も記憶に残っているようでしたね。認知度が上がったことで、リクルーティングにも良い影響が出ました」(荒木氏)