ディープラーニング(深層学習)に代表されるAI技術の活用ビジネスで、米国はもとより中国に比べて大きく出遅れている日本。「世界で勝てる感じがしない、敗戦に近い」という松尾豊・東京大学大学院特任准教授の強い危機感をきっかけに、日本のAIビジネスの現状をレポートした特集の第3回。松尾氏は「ディープラーニングに一番強い20代後半から30代前半にかけての人材に意思決定が任されていないので、取り組みが遅い」と分析する。
※本特集は書籍『AI後進国ニッポンが危ない! 脱出のカギはディープラーニング人材の育成』から再構成した。

2018年4月11日開催の「新経済サミット(NEST)2018」で開かれたパネルディスカッション「世界のAI戦略の最新動向と日本の立ち位置」で話をする、森正弥・楽天執行役員

 日本がAI後進国である理由について松尾氏はこう説明する。

 「ディープラーニングに一番強い20代後半から30代前半にかけての人材に意思決定が任されていないので、取り組みが遅い。もう一つは、ディープラーニングに関する日本語の情報が、英語に比べて圧倒的に少ない。だから日本にいる外国人研究者や技術者のほうがディープラーニングをよく知っている。英語の論文がどんどん読めるし、ディープラーニングに関する講義の動画もいっぱいある。情報格差がかなり広がり、少子高齢化で若者が減っていて、ICTをやる人が少なく、意思決定を任されていない。かなりヤバい感じがする」

 2017年夏ごろに楽天技術研究所の代表である森正弥執行役員を取材したときに、松尾氏の指摘についてコメントを求めたところ、以下のような話をしていただいた。

第2回
ディープラーニング・ビジネスで「世界で勝てる感じはしない」
第4回
AI後進国脱出のカギは、ディープラーニング人材の育成にあり